リンク

  • 創作物語の館@ココログ出張所
    別途お話を書いています。携帯端末で気軽に読めそうな短いのと、携帯端末でどうにか読めそうなデータ量に小刻みに切り分けた長いのと。 メインはファンタジー、冒険、命を守る。先端科学、魔法、超能力、妖精さん、てんこ盛り、暇つぶしにでも覗いてやって。50作少々あるので。
  • 竹谷内医院カイロプラクティックセンター
    ヘルニアや座骨神経痛と闘うあなたに。ここが私の安心サポート。 (カイロプラクティックまとめ記事はこちら
  • 朋和カイロホームページ
    名古屋におけるオレのケツ腰の守護神。JAC認定カイロプラクティック。さあアナタもLet’sバキボキ
  • ポケモンGOの記録@Sunop2000
    日々のポケ活記録(但し毎日更新するとは限らない)

ついったー

  • ついったー(暫定運用)

天気予報です

  • ウェザーニュース

めーるぼっくす

無料ブログはココログ

« 会議・打ち合わせ・レビュー | トップページ | …だからさ »

2007年7月 4日 (水)

ぶっ飛び期間工伝説

製造業では、需要の増減に合わせて、製造数をこまめに調整する。当然、製造に携わる作業者も合わせて募集したりする。そんな期間限定の社員を期間工という。この結果、フリーターの一形態として、あちこちの工場を期間工オンリーで渡り歩くという、「プロの期間工」なる存在もあるほど。
これをふまえて。

「よう覚えとるよ。ひいきの野球チームの選手と同姓同名だったからね」
製造ライン班長A氏(仮名:57歳)はそう語ると、鼻から紫煙をゆっくりと立ち上らせ、述懐を始めた。
人事から来た人物紹介のメールには、「現場向き」と記してあったという。
「現場向きというからさ、飲み込みが早くて、向上心があって、みんなをグイグイ引っ張ってくれる。そんなタイプと考えていたわけよ」
数日後。人事担当に案内され、オリエンテーションに訪れた期間工は3名。2名は礼儀正しくスーツを身にまとっていたが、ひとりはアニメキャラのヨレヨレTシャツにスネ毛丸出しの半ズボンだったという。
「そのスネ毛野郎だったんだよ。大丈夫かな、とは思ったんだけどさ」
ラインの紹介に出る。部品がどうやって組み立てられるか、各所でどんな仕事をしているか。
「ポイントと思うところは自分でメモしろって言ったんだよ。スーツの二人は手帳を出したけどさ、そいつ何もしねぇの。『ない』とか『すいません』とか言うならまだかわいいけど、ただボーッと突っ立ってるだけ」
でも具体的に各人個々に仕事を説明するのは翌日なので、明日はメモを持ってこい、とその場は許した。
ところが。
「何持ってきたと思う?チラシを適当に手で破いてクリップで留めたヤツ。一番上の紙に『メモ』って書いてやんの。バカヤローって怒鳴ってやろうかと思ったよ」
購買でノートを買わせたという。
そして仕事の説明。
「ハイ。ハイ。って返事はいいんだ。だけど試しにやらせるとトンチンカンなことしやんの。こりゃぁ人事に騙されたなぁって。でも契約した以上しょうがないだろ?。『作業手順書良く読んで、ポイントだ、と思うことはメモしろ』って言って、まぁ、任せたんだよ」
昼休み、彼の元に赴くと、買ってきたノートに一心不乱に書いているという。
「手順書目の前に立ててさ。さすがに目覚めたか?と思って覗き込んだら卒倒しそうになったよ。手順書のさ『この手順書は基板××の製造に適用する』とか、周りの枠とか、検認の係長職印な、あれまでコピーみたいに写してやんの。ダメだって思うだろ?そんなの。言ったよ。人事に、でもダメーって。3ヶ月は雇用する義務があるので、適した職場を探してやってって」
あちこち試した挙げ句、結局、テスト装置のオペレータをさせたという。つまり、出来た製品をコンピュータにチェックさせるというもので、製品をテスト装置にセットし、ボタンを押す。全機能動けばOK。ダメならNG。それだけ。
「簡単だろ?って。『ハイ』ってな、怪しいハイだよ。でもさすがに…と思うだろ?見に行ったらさ、NG品の棚空っぽなんだよ。『NGなかったのか?』『いえありましたよ』『だったら分けろよ出荷するのかよそれ』『分けるんですか?製品入れてボタン押せって』…言われたままやってたんだよ。OKもNGもヘッタクレもなく。『言われたから』製品入れて、ボタンを押し、製品を出す。それだけ。もうダメだと思ったね。人事に泣きついて契約解除してくれって。それでようやく」
後で聞いたら前の職場は宅配で知られるS飛脚便(仮名)で。
「梱包だってさ。モノ箱に入れるだけだろ?でもそこ2ヶ月でクビになったってぇじゃん。ハイハイ返事だけいいからみんな騙されるんだな」
とはいえ「解雇」では次の職場の採用に支障を来そう…自己都合による退職扱い。人事とA班長合意の上での、せめてもの心遣いであった。
「退職届書いて持ってこい。ってね。そしたら『理由』の欄になんて書いたと思う?『人事の人にヤメロと言われた』…お前一身上の都合とか知らんのか?って、『そう書くんですか?』…怪しい返事だけどもうどうでもいいや」
驚いたね。あれほどの猛者は後にも先にもないね。A班長はそう言ってチェーンスモークした。

…ひょっとすると、であるが、彼は「ハイハイ返事」だけで、ろくに仕事もせず、しかし最小契約期間分の給料だけはガッツリ確保する、ある意味「プロ」の期間社員であったのかも知れぬ。

« 会議・打ち合わせ・レビュー | トップページ | …だからさ »

コメント

この手の人物、うちの工場にいっぱいいます。
ワシも一度、数人を相手に作業をしたことがあったけど5分ともたんかったね。そんな奴らを使っている工場長、班長たちを尊敬したもんさ。

ご、ごくろー様です。
言われたことだけできるならまだマシ、なのかも知れんですな。最近は。

言ったこと勝手に解釈したり、理解できなかったり。

はぁ…

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 会議・打ち合わせ・レビュー | トップページ | …だからさ »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

最近のトラックバック