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2008年1月 3日 (木)

更新サボリを主目的とした、三が日連載小説「神様のバカっ!」【3】

1月1日分
1月2日分

(承前)

 「出ないじゃないか」
 「バカはひっくり返すしか知らないらしい」
 「ちきしょー!」
 ひろ君ペットボトルをブンブン振り回す。シェイカーみたいに上下に振る。
 でも振っただけじゃタカが知れてる。
 「ほれほれこっちはドンドン無くなるぞ、ほれほれ」
 ここでちょっと不思議なこと。その借りてきたヘビ君(オスだそうで)、束帯の下からドテッと出てきて、寒かったせいかどうなのか。息子氏の傍らでぐるりとトグロ。
 「あっ!」
 この叫び。息子氏が、ヘビに対して“勝手に出てきて!”みたいな意図で思わず言ったらしいんだけど。
 ひろ君は“その格好しちゃダメだ”と言ったように思えたらしくて。
 トグロを模したか、ペットボトルを両手で挟んで古代の火起こしみたいにぐるぐる回転。
 中のぬとろん墨汁がが振り回されて竜巻型。
 すると竜巻の真ん中が反対側のペットボトルに開通して。
 “ペットボトルからジュースが出てくるのは何故か”…代わりに空気が入るからです。だから竜巻を作って空気の通り道作ると、一気にドドド。
 私も勉強になりました先生ハイ。
 もちろん、こうなれば勝負は一気。墨汁真っ黒のペットボトルから現れたプラシートに一文字
 “の”
 「ええい勝負はまだだ」
 息子氏懐中電灯を消し、わざとらしくどんがら音を立て、ヘビ君持って退場。
 ここで、どんがら音を立てて置いていったのはハンドル。
 このハンドルを持って行って欲しいんだけど…私が思いながらステージ奥から見ていると、ひろ君はしばらくじっと動かない。
 …目が慣れるまで待っているのだと気が付いたのは、私の目がそうやって見えてきたから。
 ひろ君はハンドルを手に取ると、蛇の這った跡(?)に沿って走って行った。
 いけない。次の仕掛け人は私だった。
 その私の仕掛け。同じくヘビ目のコンタクトレンズを付け、例の巨人用ブレスレットみたいな磁石のリングを冠のように頭に被り、“どこも見ていない目”で、非常灯だけの地下道で待ち伏せ。
 果たしてひろ君は地下道を走って来、私の姿を見るや、立ち止まった。
 「あ、お姉ちゃん!」
 でも何も反応してはいけない。
 「お姉ちゃん…じゃないの?」
 何かおかしい…彼がうすうすそんな風に思い始めたタイミングで、館内放送。
 『読~め~』
 放送のノドを潰した声は神主氏。
 私はひろ君にクリアファイルを提示する。但し、砂鉄で真っ黒け。第3のからくり。
 ひろ君はファイルを奪う。“非常口”の走る人のライトに透かしたり、ブンブン振ってみたり。偏光フィルターで覗いてみたり。でもごめん、ボンドで入り口封じてあるから、その程度じゃ動かないんだ。
 …ヒントを出してあげたいけど。
 「アイテムがないじゃないか!」
 ひろ君は大声で抗議。そういえば何もないように…感じるよね。
 『バカ者には判らないぞバカ者』
 神主さんてばヒドス。
 ひろ君はあちこち見渡す。古いタイムマシンもののSF映画で『チキン』と言われると同じくムキになる主役がいたっけ。
 そのうちひろ君は壁際の“非常口”ライトの上に足をかけ、天井へ手を伸ばした。
 でも、そこまでさせる気はないよ。さすがにそれは危な…
 「あっ!」
 ひろ君がバランスを崩し、手をバタつかせる。
 そのクリアファイルを持ったまま。
 …鉄粉を敷き詰めたクリアファイルって、要するに薄い鉄板と変わらないわけで。
 私の頭をクリーンヒット。声なき声で痛いと叫ぶ。もちろん、磁石な冠はばっちりくっついた。
 「あっ!」
 ひろ君、気が付いた。
 冠でクリアファイルをぐるぐるこする。砂鉄が引きつけられて集まり、ボンドで字を書いた部分の砂鉄だけ、残る。
 “中”
 全部繋げて。
 「倉・の・中か!お姉ちゃん。待ってて!」
 倉…倉庫は本殿裏の池のそばだよ。磁石の冠ちゃんと持って来てね。
 先回り。今度こそ囚われのお姫様。ああ忙しい。
 さて倉庫で縛られていると、向こうから駆け込んでくる足音。
 「た・す・け・て~」
 私の声が聞こえたのは、ひろ君にとっては黒い巨大ビニールシートの向こうのはず。
 ビニールシートがサーッと真ん中から裂けて行く。その向こうに現れたのは、低い冬の陽光を背に、大きな虫眼鏡を持ったひろ君。そう、彼は虫眼鏡でビニールシートを溶かした。
 彼と目が合う。仁王立ちの姿が勇ましい。でも。
 「おねえちゃ…うわっ!」
 ひろ君はさすがにたじろいだか、数歩下がった。
 彼の前に浮かび上がったのは…どこから持ってきたんだか、南米の大蛇アナコンダ。全長10メートルはバス1台分。胴回りの太さは私のウェストより太いくらい。
 つまり彼から見ると、大蛇がデデンと居座るその向こうに、私がチョウの翅のように両手を広げて上から吊られ…という構図。
 『勇気あるなら大蛇に触れよ。近づいて見てみよ。勇気を示せ…バカ者』
 上から降ってくる息子氏の声。わざわざパソコンで“ドルビーデジタル5.1チャンネルサラウンド”に合成したらしいです。
 要は立体音響。その理由は…
 と、ひろ君まず虫眼鏡をヘビに向けた。少しずつ近づき、ビームの焦点をヘビに合わせようとする。光のチカラで焼こうというわけ。お、かしこい。
 しかしそこでタイミング良く(?)アナコンダが巨大な口を開いて威嚇。
 ひろ君たじろぐ。
 アイテム入れた手提げカバンをゴソゴソ。磁石の冠を近づける…無反応。ファンは手にして…首を傾げるだけ。
 偏光フィルター。…んと、それはこっちの目的とは違うアイテムなんだけど。
 「ん?」
 何か気付いたかな?
 と、そこでひろ君、虫眼鏡を再度手にしてヘビに近づいて行く。
 実はこれ立体映像。レンチキュラーという特殊な構造のスクリーンに2台のプロジェクターで投影して浮かび上がらせたもの。…見る角度によって絵柄が違って見えるシールあるでしょ。あれと同じ構造のスクリーン。
 しかし、偏光フィルターを通した結果、そのレンチキュラー構造がキラキラして見えたらしく、そこにスクリーンがあると判ったみたい。予想外の展開。
 「ウソんこじゃないか!」
 ひろ君は虫眼鏡の向こうで大きな目を動かして叫んだ。そう、勇気を示せ…ヘビにビビらず、逆に虫眼鏡で拡大すると、ヘビはプロジェクターが作った光の三原色に分解されるわけ。
 ひろ君はスクリーンを迂回し、こっち側へ回り込んできた。ちなみにそこにはファンとか磁石とか取り付ける、例の台座が置いてある。
 最終関門。
 「たすけて…」
 私のこの声。実はリアルだったりして。
 というのも、私の頭の上で、水がたっぷり入った風船がぶくぶく膨張中。
 ちなみに倉の裏手では、大人達が何台かの自転車ポンプを必死こいてプシュポンしてるはず。
 「待ってね。今助けるから」
 ひろ君は、私の手首を上から吊ってるビニール紐を切ろうというつもりらしい。まず様子を見、最初に金属板であるファンのエッジ部分でガリガリ切ろうとする。
 でもこのファン…アルミなんだけど薄くて柔らかいんだよね。
 「だめだ切れない。でもこいつら使うはずなんだよな」
 「あれもだよ」
 私は台座をアゴで差し示した。いやマジ水も滴るいい女になる気はないので。
 ちなみに最後のこのからくりは父親の提案。私にも解答を教えてくれなかった。
 「あ、これって…」
 ひろ君は手提げをひっくり返し、集めたアイテムを全部出す。
 ハンドルを組み付け…そうそう。
 ファンをつけ。
 「ひょっとしてこれも?」
 磁石の冠を組み付け、歯車を噛み合わせる。
 “アラゴの円盤”実験セット。
 ハンドルを回すと、ギアで噛み合った磁石の冠が回り出し、やがて、その磁石の回転に引きずられるように、アルミのファンも回り出す。
 「何これ。磁石にくっつかないのに磁石に引きずられて回る!」
 ひろ君ハンドルをガンガン回す。ファンの構造をしているのでぶーんと音を立てて風が起こる。
 まずその風をビニール紐に向かって吹かせる…もちろん、風如きじゃどうにもならない。
 風船が頭の上にのしかかってきた。重い…
 「どう使うんだよ~」
 ひろ君は困ったような顔でブンブン回す。でも回すだけじゃ何も起こらない。
 一旦下に置く。取り出したのは虫眼鏡。
 ビニール紐に焦点を…しかし、レンチキュラースクリーンが邪魔して僅かな光しか入って来ない。焦点合わせすら難しい。
 「違うよな。やっぱこれだよな。畜生むずかしい」
 ひろ君は再度アラゴの実験セットを持とうとして
 ファンの部分を握った。
 その瞬間。
 「あちっ!」
 「熱いの?」
 私は訊いた。
 「うん、めっちゃ熱くなってる…そうか判ったぞ!」
 ひろ君が勇んでハンドルをブンブン回している間に説明。
 “あらごー”…アラゴの円盤。
 電気を流す物体…この場合ファン…の周囲で“磁界”を回転させると、ファンに電流が発生し、その電流が更に磁界を発生させる。
 この電流が作った磁界は、大元の磁界…この場合磁石の冠…と吸引反発し合い、引きずられるように回ることになる。
 つまり、アルミのファン自身が磁石にくっつくようになったわけじゃなくて、アルミに発生した電流と冠の磁石とが反応し合っているわけ。
 そして、電流が流れるということは、当然、熱持って熱くなる。これは“オームの法則”なんだとさすがの私でも判る(アルミがぴらぴらに薄いから抵抗値が大きいってのもあるんだぜby作者)。
 説明終わり。
 「お姉ちゃん待ってね」
 ひろ君はゴォーッと盛大な音が立つまでファンを回し、ビニール紐に押しつけた。
 ファンが止まる。と同時に、じゅ~っと音を立てて紐が溶ける。
 「やった!」
 もう一本も切る。
 大蛇に囚われの姫救出。
 「やめろ!お姉ちゃんは助けたぞ!僕の勝ちだ」
 風船の膨張停止。
 レンチキュラースクリーンが巻き上げられる。電動の借りてきたんですかい?
 なんか、改めて考えるとムチャクチャ手間とお金掛かってません?てゆーか、仕掛け人側がしっかり楽しん…
と、スクリーンの向こうには、大人の皆さんプラス白ヘビ君全員集合。…いや、あの、ヘビはいいです。
 「大した勇気だ」
 神主氏。
 「へーんだ」
 ひろ君鼻が高い。
 「そして、神社としても尊の名において君にきちんと望み通り“ゲーム”を提供したわけだが。テレビの中のを操るんじゃなくて、自分が実際に主人公になってみた気分はどうだね?」
 ひろ君、ハッとしたような表情。
 そしてニコッと笑って。
 「またやろうよ!」
 「こら!まずは“ありがとうございました”でしょうが。どこまでワガママなのこの子は!」
 お母様が思わず?言った。
 で。
 その後、ひろ君はテレビゲームへのこだわりは少なくなり、外に出て自分で“冒険的”になるように工夫して遊ぶようになったとか。
 それはいいとして。
 問題は私。実はバイト巫女が学校にバレバレ。まぁそもそも論として、知り合いの多い地元の神社を選んだ私が浅はかだったわけで。
 新学期早々、生活指導に呼びつけられた…ところで茶先生が助け船。
 「まぁ彼女それはそれとして特別学習しているようでして。なぁ林」
 「は、はい…」
 「君は今回“アラゴの円盤”がどんなものか判ったわけだな」
 「はい」
 説明書いたように後で調べたので。
 「じゃぁ“IHクッキングヒータ”でアルミ鍋が使えないとされる理由も判るだろう。はいレポート提出。…後で居残りテストするからネットの記事コピペはやめとけよ」
 え~っ!
 なんであたしが?ちゃんと神様の沽券保ったじゃんイザナギさん。

神様のバカ…


神様のバカっ!/終

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