氷河期を生き抜くために~就職難に寄せて~【4】
●大企業だから何だってんだ
デカきゃいいのか。
スケールメリットという言葉はある。大きいが故に、大きくないと、というヤツだ。確かに原子力発電所は町工場じゃ作れない。
他方、顧客ごとにカスタマイズするワンオフの超精密工作機械をいちいち量産ライン組み替えて作っていたんじゃ能率が悪すぎる。
また、「でかい図体」は、往々にして世界規模相手の商売と切っても切れない、「グローバル化」というヤツだ。ただ、これには、だんだん世界でも売れるようになっていった「必然の結果」と、図体がでかくなりすぎた結果、世界規模で販路広げないと自分を維持できない「必要の結果」と双方あるので見極めが必要だ。太ると息するだけのためでも応じた食い物が必要になる、というわけである。ちなみに往々にして前者は内需だけでもやってける場合が多く、後者は内需だけでは維持できない。実例で言うと、半島サムスンは後者の典型である。
どちらにせよ言えることは、本拠地がそこにあるだけで、ワールドイン・ワールドアウトということだ。世界から調達し、世界へ売る。「日本人であること」は何ら寄与しない。むしろ海外現地のスタッフは現地で調達した方が言語法律面から話し早いし、英語できた方が世界のどこでも通用するわけで有利、となる。大企業を目指すというならその辺気をつけた方がいい。
さて半島のその会社を挙げたが、ここは「オリジナル」というのがない。端的に言うと日本などの会社が開発した面白そうな物をマネして安く売りさばく。真逆がアップルコンピュータである。ここはオンリーワンを開発して、自分では作らない。どっちにせよ「資源集中」の極限の姿を示す。利潤の確保、すなわち自己消費を減らそうと思ったらこうなると考えるべきである(個人的には製造機械を最も人件費の安い国に持ち込めば事足りるリンゴの方が賢いと思う)。
で、ここで日本ならではの特殊性が提示できる。「日本でしかできない」ってヤツだ。小さくて、精密で、性能が良く、信頼性が高い…求められるのは総合力であり、豊富な知識をベースにした抜きん出た能力である。それは往々にして全体を見渡せるサイズを越えてはならず、当然、コンパクトである。
あなたの能力は世界のどこでも通用するか、それとも、そこでしか発揮できないが世界一或いは世界唯一か。
→Last「職選びは生き方選び」
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