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2011年10月 9日 (日)

立ち会い出産体験記【8】

→【9】へ
 
再びこれを繰り返す時間が訪れます。痛みは文字通り極限です。痛みが去った後、激しい筋肉の収縮で体の熱が奪われるため、震えと寒さが妻を襲います。布団を何枚も掛け、さすり、水分を与え、痛いという腿を体重をかけて拳で押します。後に判ったことですが、この痛みは男が体重をかけて拳で押して、それでやっとこどうにか和らぐほどのレベルだったそうです。ここにもう一つ、男…夫の存在理由があります。こうなると出産における夫は「立ち会う」存在ではありません。文字通り妻と力を合わせて子どもを迎える「共同」出産者です。寒がる妻を男の大きな手でさすり、必要とあらば抱きしめて加温し、妻がいきむために掴む腕を提供し、痛みや内診で寝返りを打てない妻の口に口移しで水分を補給する。夫でなくて誰ができますか。
痛みといきみの時間が続きます。子宮口は遅々として開きません。「これで正しいの?赤ちゃんは降りているの?いつ分娩台に移れるの?」妻が不安と弱気を口にします。私は次のように説明します。「まず腿の痛みがある。これは赤ちゃんの頭が骨盤近くの脊髄を圧迫している証拠。次にいきみたいという気持ちが生じた。これは赤ちゃんの頭が便を催す時と同じ神経を刺激している証拠。だから赤ちゃんはちゃんと下がってる。次にあなたがいきむと赤ちゃんの心拍数が下がる。これは赤ちゃんに力が加わってストレスになっている証拠。つまりいきむ力はちゃんと赤ちゃんにかかってる。少しずつだけど進んでる。いつ分娩台かは今すぐには言えないけれど、ちゃんと進んでる。痛いけどこれ以上ひどくなることはない。この最高の痛みにあなたは耐えている。そして今までかかった時間よりも確実に今後要する時間の方が短い。だからいまの呼吸といきみを続けよう」
妻は納得したのか小さく笑い、そのまますっと寝入りました。
その時の表情を私は忘れません。なぜならそれは強くたくましい母の顔だったからです。力を込めて、文字通り全身の力を込めて、血を流し、涙を流し、身を傷つけながら、それでも我が子を命をここに生みださんとする強き母がそこにいたからです。「いい顔してる」私は思わずつぶやきました。
激痛が来ます。妻が体をのけぞらせ、次いでぎゅっと縮めます。いきませ、力を抜かせ、水をあげます。
繰り返し、繰り返し、途切れずに、何度も。
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