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2016年4月23日 (土)

トミックスモータの短絡故障について @tomixworld

★その後「2」はこっち

【はじめに】

トミックスの電車等に大量に使われているフライホイール付きモータ(品番0623など)において、新品から程なく回転不良に陥り、パワーユニットが保護停止してモータが起動できない、という不具合に遭遇した方は多いはずである。自分も30個くらい交換した。今般、理論に基づきその理由を考察したので記載する。

【概要】

・ブラシが「電機子反作用」を考慮された位置、構造でないため、逆起電力をブラシで短絡し、カーボン飛沫を生じている
・生じたカーボン粉が整流子間に詰まり、ブラシ-整流子-カーボン粉-整流子-ブラシの経路で電源短絡を生じている

【結論】

・モータとして非常に不安定で動作不良を起こしやすい構造である
・出力電流の大きな制御装置で使用した場合、発火の危険がある
・危険な破壊モードに至る設計不良であり、トミーテック殿には構造変更を「要求」する

たかが鉄道模型のモータと言うなかれ、技術的には分巻固定界磁型直流電動機そのものであり、素材の故に発火事故の危険があると判断する。非常に技術的に高度な内容となるが、非常に危険なのでここに書かせていただく。トミーテック殿には早急な改善を要望する。火事になりかねない。

まず、マブチの系統を汲む鉄道模型用直流モータ(トミックスM-5等)のブラシと整流子の写真を示す。

Cgt1f5duyae6v7i_2

黒っぽいのがブラシでカーボン製。左右からつる巻きばねで強く押されている。

Cgt3il8ugaagznz

電機子コイル。および、黒く汚れた銅の板が整流子である。両者の接続状態の断面イメージを次に示す。

Dcm1

コイルは整流子緑-青/青-ピンク/ピンク-緑の3つが巻かれてあり、それぞれ永久磁石(界磁)と吸引反発し、回転する。

ここで、「電機子反作用」と呼ばれる現象を考える。

Dcm2

電験問題「発電機と電動機の原理(4)」より)

要約すると。

・磁界の中でコイルが動いているので、モータであると同時に「発電機」でもある(逆起電力)
・ブラシが回転中もイラストの位置のままの場合、その発電電流を短絡してしまう

この対策として、「電気的中性軸」にブラシを移動させる。が、この図を必要とした理由である。

これに対してマブチの構造は以下の通り。イラストのモータが時計回りに回転すると、ブラシは摩擦で引きずられる。

Dcm3

大げさに書いたが、このように「電気的中性点」に向かって動く。結果、起電力電流の短絡を回避している。逆回転も同じ。バネで強く押しつけ、ブラシ表面が円弧を描いているのもこれを目的としている。

一方、トミックスのフライホイール付きモータを見てみる。

Cgttybpuyaara2v_a

Cgttybpuyaara2v_b

ちなみにこれは、短絡症状起こした個体を「システムパワーユニット」(出力2A)で無理矢理動かした物。

Cgttybpuyaara2v_3_2

矢印したが、ブラシが溶けて外れてしまった。

Cgupat8uyaebnmg

・板バネに穴を開けてはめ込んであるだけ
・ブラシの摺動面は平面

Dcm4

当然、逆起電力を短絡するので火花を散らす。削れたカーボンが溶けて整流子の隙間(緑-青/青-ピンク/ピンクー緑)に入り、溜まって行く。それが証拠に

Cgudepvuuaaridl

整流子真っ黒だし、中性点追従が確実であれば、ブラシは円弧型に摩耗するであろうが、そうなっていない。どころか、直線的に摩耗して台形になっている。これは、ブラシ引きずられる←→バネで戻されるを繰り返して、歯ブラシゴシゴシみたいな運動をしており、均等に削られていることを示している。

そして、削られて出来たカーボン粉はいずれ整流子間にはまりこみ、ブラシ-整流子-カーボン粉-整流子-ブラシとなって短絡する。この時、電子式の保護回路を持った制御装置では、その保護が働いて止まるとともに、保護を解除してもカーボン粉はその場に入ったままであるから、すぐにまた保護が作動して、となり、起動不能に陥る。
一方、大電流の流せる制御装置であれば、短絡したまま流してどうにか低速回転するか、カーボン粉を焼き切って機能回復が可能である。ネットで「AC17Vを一瞬掛ければよい」という「回復法」を見た方もあろうが、これは焼き切るとともに、モータ自身に振動を発生させ、粉をふるい落とす効能もあると見られる。

【結論】

・トミックス製フライホイルモータのブラシは、電気的中性軸移動に追従する構造ではなく、逆起電力の短絡が常時生じているものと考えられる
・短絡の結果、ブラシのカーボン粉飛散が多く、応じて整流子間に入り込む確率が高く、ブラシ間短絡を起こしている

ここで、大きな電流を流せる電源装置の場合、短絡が形成されても流してしまうため、発火発煙の可能性がある。設計不良と断ぜられ、トミーテック殿には構造の変更を強く要求する。

【使用者の対応】

・「走らせっぱなしのまま忘れる」などがあるお子様の使用は危険である。制御装置の保護レベル以下では電流が流れ続ける。
・フライホイールはある程度、短絡からの離脱エネルギを与える。但し低速域など、その効果の期待できない場合も多く、根本解決手段では無い
・ブラシの摩擦移動と板バネのフック力により定まる共振点で回転した場合、ブラシの角を削るなど、カーボン粉の発生がより多くなり、短時間で短絡に至るパターンもある
・負荷が重い(長大編成・ライト装備)などの場合、逆起電力も大きくなるため、カーボン粉飛散も増え、応じて短絡を生じるまでの時間が短くなる(すぐ壊れた…は大抵これ。ウチの485系12連もまだ入線したばかりだが症状が出た)
・バネ圧が適正で温度に対しロバスト性があり、ブラシが円弧状に摩耗すれば、中性点追従性を獲得する可能性はある。但し殆どの場合、ユーザの使いこなしでその状況を獲得するのは困難である。
・可能性だけで言えば、電流が小さければ逆起電力も小さく、短絡も発生しづらいため、無負荷・低速で、前進・後進を同じ時間ずつ、長時間繰り返す「バーンイン」(慣らし運転どころじゃねぇ)を行えば、うまく行く。かも知れない。

以上。なお、ED75など大きなフライホイールを搭載した動力車では症状おきにくいと思うが、カーボン粉による短絡が生じたタイミングで止めた場合、同様に起動しない。

さすがにこれはトミーテックに言うべき内容であると考えている←言った。論文を示してやりとり中。

●2016/6/20補遺

トミックスから書面回答あり、当方疑念点も念頭に調査する、とのこと。故障品送られたし、とのことで、仕事なしのEH800と、モハ484から外したモータ単体を送ります。484は新旧製品があるので、その12連時の電流電圧・速度特性。また、484は再度モータを変えましたので、それ走らせて「ドコまで持つか」様子見をします。理論、データ、動画、これだけあればイイでしょう。
ちなみに「設計おかしいちゃう?」という喧嘩腰ですが、モーター屋が「チャンピオン性能品を試験用に送付して信用させ、量産品はへっぽこを送りつけるとか中国製はよくあります。そうなると被害者ですので、契約時に縛るとか、時々ランダム抜き取りすべきとかいう話もします。
まぁ、ジョーシンのこのモータの客レビューがこう

http://joshinweb.jp/train/12523/4904810006237.html#reviewJump

ですから。私だけ特異な状況ではないでしょう(補修部品がしかもモータが売り切れるんじゃねーよ)。

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コメント

突然失礼いたします。
検索していて、この記事にたどり着きました。
うちのM-9モーターも、使用頻度そんなに高くないのにも関わらず半年持たずにショートしました。
ネットで調べたり、この投稿を読む限り、やはり欠陥のようですね。

TOMIXの対応に興味があります。

その後、何か進展はありましたでしょうか?

>HIROさん
発生条件を聞かれたので、症状が出るまでの時間、そのときの編成などを答えて対応待ちです。まぁ、静岡~銀座松屋とイベントが続くので、相当先になるのではないかと。

 はじめまして。

 上の方同様、私も「M-9モータートラブル」でこちらへたどり着きました。

 大変丁寧な解説で、トラブル原因がわかりました。
 ただしうちの場合は、完全にショートではなく、走らせていると突然急に速度が落ちて、しばらくするとまた復帰するというものです。
 ただし、モーターの焼ける臭いがするので、コミュテーターに何らかの異状があるのは間違いないでしょう。

 私は欧州型HOが主力ですが、向こうの製品でもコミュテーターにカーボン屑が詰まってしまうトラブルは時々発生します。
 屑を取り除くと治るものもありますが、またすぐに詰まってしまうものもあります。
 このあたり、こちらの記事を参考にしてみます。

 今後ともよろしくお願い致します。

>DB103様
本件、論文やらソースつけて書面でやりとりした結果「よく読ませて下さい」で止まっています。まぁ、これで当たりではないかと個人的には踏んでいますが。
ちなみに、年末の目玉である真岡のC11にコアレスモータを載せるとアナウンスしているので、そっち方向なのでしょう。コアレスは携帯バイブ用で用途拡大の結果、結構安価になっていますので、逆にオリジナルすぎるモノにはならんかなと。トルク特性良すぎてウサギちゃんにならなきゃいいのですが。

こちらの方はぶったたいて復活させているようです。

http://skt48.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-2fcb.html

はじめまして。数年ぶりに鉄道模型を再開し2ヶ月ほどですが、この短期間でM-9を搭載した動力車5両中3両で、モーターが原因と思われるトラブルに見舞われました。経年劣化に関しては当方に責めがありますが、買い求めて間もない新車やモーターがこんなに早くダメになるのかと疑念を抱いていたところ、こちらの記事に辿り着いた次第です。
経験したサンプル数が少ないので、「運が悪かった」と言われればそれまでですが、ほぼ同じ環境で扱っているtomixの旧動力(M-5系)やkatoの製品は何ら問題ありません。
これはあくまでも想像ですが、例えば手間を惜しんでジャンク扱いで処分したり、T車運用で妥協したり、或いは泣き寝入りして放置している方もいるのではないでしょうか?クレーマーと見做されるとしたら甚だ不本意ですが、不具合の起こったM-9動力車に関しては逐一トミーテックさんに報告することにします。長文失礼致しました。

> kiha58_1523様
本件は論文スタイルでトミーテック殿に送り、「内容を見させていただく」と書面をもらったところです。
予告されている真岡のC11がコアレス積んでくるあたりに回答の一端が見えた、と感じます。ただ、コアレスはトルクが大きいので、常点灯(チョッパ)パワーユニットだと「やわやわ」運転ができないんじゃないかと少し心配です。

私の経験したM-9モーターの症例をまとめてみました。すのぴ さんのような電磁気学の知識・考察力は持ち合わせておらず、一般ユーザーの所感の範疇を出ないのですが、不躾ながら記事URLを貼らせていただきます。(お読みになられたら削除頂いて結構です)
http://blogs.yahoo.co.jp/kiha58_1523/49510756.html

> kiha58_1523様
ブログ拝見しました。溶損は看過できないですね(私もパーシー焼きましたがモータの基本設計は違うでしょう)。上新電機通販のレビューもボロクソです。「ハインリッヒの法則」といって、300件の軽微なトラブルのうち、1件は重大事故につながります。そろそろケリ付けないと人命・財産に影響が出かねません。「システムパワーユニット」とか、昔の天賞堂のすげー奴とか、大電流流せる奴だと短絡のまま回るんです(当然過熱します)。

初めまして、通りすがりにお邪魔します
当方もつい最近再生産されたトワイライトエクスプレスセット抱き合わせのEF81をつい数日前に皆さんとほぼ同じ状態で看取りました…
溶けたり燃えたりしなくて済んだのは不幸中の幸いという所ですね
こちらの機材ではショート検出機能が無いので気付いたのが遅れたのが痛かったです…
記事読ませていただいてふと思ったのですが当方のレール環境が当時レール足りなくて昔から塩漬けで持っていた古いトミックス茶道床を継ぎ足していたのです
レールジョイナーも怪しい状態だったので電圧降下を少なからず起こしていただろうと想像出来るのですがこんな感じで新→旧→新と断続的に電圧降下起こしてる区間を走らせるのもこのモーターにはアレなんでしょうか

それにしても今後どう始末を付けるのか非常に心配ですね
回収→無償交換が一番ベターですが、C11のモーターを見るあたり以降の製品をシレッとモーター載せ替えて何も無しな気も微妙にしてるのですが…

ブログを拝見しました。
このモーターは、よろしくないようですね。
メーカーに問い合わせても「経年劣化」としか記されておらず、再度詳細を確認するとともに、経済産業省へ相談しています。
当方のモーターも使用歴(合計)90分で動かなくなり、かなり熱い状態でした。
このモーターを搭載した車両を相当数保有しており、今後発火されても困るので、販売し続けることを止めたいですね。

>特急おくちちぶ様
 
コメありがとうございます。トミックスが「レッドアロー」を生産していたのも今は昔。
 
このモータは大編成になるほど症状が出やすい傾向があるようで、6両くらいまでなら問題ありません。ただ、1980年代の車両(モータはマブチ製)が今でも動くことに比べたら「劣化」というには余りにお粗末。また、故障モードが短絡で明らかに危険です。
 
C11がコアレス乗せてくる、ということなので、電車系の動力もそっちに集約されることを期待しましょう。

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