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彼女は彼女を天使と呼んだ(11)

 〝霊感がある〟と自称する者が、学年に一人や二人はいるものだ。
 おしなべて女子の方が多いようである。古来より霊媒や巫女は女性が勤めたが、そうしたこととつながりがあるのだろうか。
「見込みがある、って」
 翌朝、理絵子が登校するや、北村由佳が輝くような笑顔を伴って理絵子の机まで来、いきなりそう言った。
 瞳煌めかせ、理絵子がカバンの中身を机に移す動きを捉えつつ、傍らにしゃがみ込む。
「へ……」
 理絵子は意図するところを理解するのに少し要した。
 北村由佳はそうした霊能女子に伺いを立てて来たのである。昨日彼女が口にしたセリフ『ごめん、忘れて。他を当たるよ』の「他を当たる」の意味を知る。
「占ってもらったんだけどね……」
 理絵子は占いには否定的だ。
 例えば新聞テレビの星占いをハシゴして〝今日は幸運〟と書かれたものをその日信じる……自分の心理をポジティブに保持するためならまだいいが、そこに依存するのは正直いただけない。なぜなら自分で動こう、切り開こうという心理ではないからだ。
 断じてしまうが〝占い〟は2タイプに分かれる。依頼者の期待する答えばかり言って気に入られて金をもらうか、逆にダメダメ光線を発射して不安にさせ、解消するためには金を出せというタイプか。前者でその気にさせて後者に移るというパターンもあるだろう。 3つ目の場合、ある種催眠商法といえる。

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