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ブリリアント・ハート【35】

「でもうらやましい。何でも出来て」
 あすかちゃんは言った。その目には憧れの色がある。
「そうでもないよ。だからって何でもやっていいってわけじゃないし。現に質問ひとつに答えるのに大冒険」
 そのセリフにあすかちゃんの表情が曇った。
「…ごめん私が」
「ああそんな顔しないで。あなたのせいじゃない。私の趣味。たまには好き放題やらせろっての。それに、
…表面だけ姫ひめ慇懃無礼な大人達からかって煙に巻くのは大変面白うございますし」
 レムリアは後ろ半分囁き声で言った。
「…確かに」
 あすかちゃんが同意し、二人して小さく笑う。
 自分たちに大人達が振り回されキリキリ舞いしている。普段、子どもをコドモとして捉え見下し、偉そうにしている彼らのあわてふためきぶりは、滑稽でないと言ったらウソになる。
「でも」
 と、あすかちゃん。
「ということは、普段は、好き放題じゃない、んだよね」
 レムリアは頷く。
「まぁ、そうね。制約は多いかも知れないね。私が何かするとコッカのコケンというヤツに直結するから。恥掻くのは国と国民。これは重荷」
 あすかちゃんがため息をつく。
「難しいなぁ…。それだけいろんなことできるのに。神様って意地悪なのかな」
「いたら文句の一つも付けたいとは思うね。私は子どもらしくありたい」
「私はあなたみたいに素敵で積極的になりたい」
 そのセリフに、レムリアは小さく笑った。
 もう充分積極的。頃合いだろう。変化に気付かせて良い。
「そのなりたいオテンバと一緒になって冒険してるのはどこの誰?同じ事出来ているのはどちらのお嬢様?おかしいなぁ、あすかちゃんは引っ込み思案だと聞いたけど」
 そのセリフに、あすかちゃんは身体をびくりと震わせ、目を見開いた。
「え…」
「そう、今のあなたはすごく輝いている…。やればできるんだよ。私をって言う責任感があなたの底力を引き出した」
 この指摘にあすかちゃんは言葉がない。

つづく

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