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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-3-

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 改札を鉄道カードで抜け、構内にある観光案内所へ。
 窓口のお姉さんに、即売もしている工房を訪ねたいと告げると。
「『やきもの散歩道』を行ってみてはいかがですか?」
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 傾斜地を縫うように走る小道で、そこここに工房やお店があるという。
「一般のご家庭もありますので、プライバシーには十分ご配慮下さい」
「ありがとうございました」
 地図をもらい、送り出されて駅を出る。アーチ型の鉄道橋梁(ニールセンローゼ橋)を背中に、南東の方向へ。
 途中、人に訊いたりなどして、たどり着いた“散歩道”の入り口は、「ありゃりゃ」というのが正直なところ。
 綺麗に整備されすぎているのだ。舗装やカンバンなどまだ新しい。道そのものはクルマが入れる幅はなく、斜面にへばりつくように、くねりながらの上り坂。
 首を傾げながらとりあえず歩き出す。こういう場所には“小洒落たお店”は多いかも知れないが、昔ながらの工房というのはどうだろう。
 ちなみに東京で見たその茶器は、えらく高名な陶芸家、の弟子が作った1点ものとか。そういうのは、引き継ぎ引き継ぎ大事に使うシステムの産物が多いのではないか。
 比較対象として適切かどうか知らないが、一度乗ったことのある“オリエント急行”の客車は、二次大戦前の姿に復古されたヴィンテージカーだったが、その作業はわざわざ元々の工場で、リタイアした職人を呼び寄せて、当時と同じ手仕事で行ったという。同じ理屈で、古典的な味わいを求めようとするなら、それに最適化されたシステムの方が良いような気がするのだ。
 “小洒落た”……現代向けにソフィスティケートされた陶芸を否定はしない。でも、少なくとも自分にはお呼びではない。ちなみに、そのオリエント急行のディナーで供された食器は、列車の紋章こそ入っていたが形状はシンプルそのもの。しかし無機ではなく、ムダをそぎ落とされた“機能美”みたいな物があり、どこのだろうとクルーに尋ねたら、ウェッジウッドと返ってきた。
 
(つづく)

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