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グッバイ・レッド・ブリック・ロード-126-

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「良かった」
 レムリアは笑い、両手でパチン、を、やろうとして、固定された左腕に顔をしかめた。
「あた……判りました。お手数お掛けしました。見せろなど看護師如きワガママ申しましてすいません」
 頭を下げる。というのも本来、看護師が医師の診察や治療に首を突っ込むことはない。どころかむしろ御法度。ただ、レムリアの場合、“最前線”で行動しており、とっさの判断が必要な場合が多く、ノウハウは積極的に吸収させてもらうことにしている。一瞬一秒の世界であり、悠長に医師を待つヒマはない方が多いからだ。
「いやいやこちらこそ、こんな不思議でどこかハッピーな救急診療は初めてだよ、ですよ」
 脳外科の医師はそう言ってはにかみ、レムリアを送り出した。その間も倉田医師はマウスを勝手にぐりぐりやって、首を傾げたり小さく笑ったり。
「それでは」
 三角巾姿で、レムリアは処置室を後にする。ドアを開くと、そばの長いすには心配そうな真由と教諭。
 レムリアの痛々しい出で立ちもあろう、思わず、とばかり立ち上がった二人に、まずは少女の報告。
「単なる脳震盪。ケガの類一切無し。退院は本人の気持ち次第」
 レムリアは軽く言った。
「そう……」
 二人は安堵の表情を見せた。なお、真由はいつの間にか版権もののネズミのトレーナーを着ており、羽織っていたカーディガンをレムリアに畳んで返した。後で訊いたら、坂本教諭が、病院からタクシーで(!)常滑駅前のスーパーに出向き、買ってきたのだという。
「あなたの肩……は?」
 真由がこわごわ、という感じでレムリアの肩に触れる。
「まぁこっちも嵌めてもらったんで、これで様子見。さて、病室へ行きましょうか。先生はどうなさいます?彼女気が付くまでいらっしゃいますか?」
 
(つづく)

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