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【魔法少女レムリア短編集】東京魔法少女-4-

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「あ、あたし江藤真美子(えとうまみこ)」
「まみこちゃんか。よろしくね。あ、信号青になったよ」
 レムリアは真美子ちゃんの手を取り、大通りを横断した。
 そのまま真美子ちゃんの案内で、“心当たり”の場所に向かう。電気街から数ブロック奥、一方通行の細い道。
 配達駐車であろう、宅配ワゴン車の向こうに、パタパタと揺れる白い尻尾。
「あ、いた。ホントにいた!ハリー!」
 真美子ちゃんの声にわん!と吠える声。
 ワゴン車を通り過ぎると、イメージした通りの白い犬。及び、こちらを見ている白い厨房着の熟年夫婦。
 見ればラーメン屋の店先である。夫婦は店の主人氏と女将さんであろう。ハリーに発泡トレイに盛ったエサをあげている。
 ……散歩の途中、いつもここで食べ物をもらっている。レムリアは理解した。
「ああまみちゃん。良かったよ。心配してたのよ。ハリーだけ来たから」
「ごめんなさ~い。綱が切れちゃって。このお姉ちゃんに一緒に探してもらったの。お姉ちゃんすごいんだよ。ハリーがここにいること一発で……」
 女将さんと真美子ちゃんが喋っている。
 そして、主人氏の方はレムリアの方を厳しい目で見ている。
「あんた、この子の親戚か何かかい」
 主人氏は腕組みして尋ねた。刺すような声音。
「いえ、通りがかりで……」
「命の恩人だよ」
 真美子ちゃんはさらっと言った。
「え?」
 女将さんの目がまるくなる。
「お姉ちゃんがいなかったらあたし車にはねられて死んでたもん。お姉ちゃんホントは外人さんなんだよ。オランダに住んでるんだって」
 真美子ちゃんは言った。
 すると今度は主人氏の目が驚愕でまるくなった。
「へぇ。オランダかい。えらいべっぴんな大和撫子に見えるけどな。日本語も上手そうだし」
 声音がころりと変わった。
「……恐れ入ります」
 
(つづく)

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