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【魔法少女レムリア短編集】東京魔法少女-5-

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 こういうのは嬉しくて恥ずかしくて回答に困る。ので、とりあえず笑顔。
 ハリーが発泡トレーにもらったエサを食べ終わり、綺麗に舐めて尻尾をパタパタ。
「ハリー帰るよ。おじさんおばさんいつもありがとう。あっ……」
 真美子ちゃんは言い、そこで思い出したようだ。困ったようにリードの切れ端を見つめる。
「どうしよう……」
「荷造りの紐じゃダメかい?」
 女将さんが言う。
「ダメだろ。かと言ってあとはチャーシュー縛るタコ糸くらいしかないしなぁ」
「もっとだめじゃないか」
 主人氏の発言に女将さんが突っ込みを入れる。
 レムリアはその間にハリーに歩み寄った。
 ハリーが気付いて振り返る。
 見つめ合う犬と少女。
「お嬢ちゃんそいつは……」
「いい子だね」
 レムリアはハリーから少し距離を取ってしゃがみ、手のひらを差し出した。
 そのままじっと目を見つめる。ちょっと笑顔を忘れずに。
 警戒……許容。そして理解。
「おい噛みつかねーぞ」
「すごいねぇ」
 夫婦が話し合う。ハリーは自身を真美子ちゃんより地位が上と思っているが、その分保護意識があり、真美子ちゃんに近づく者は吠え立てて噛みつこうとするようだ。
 なぜ、この子が一人で、この街で犬の散歩が出来るか、レムリアは合点がいった。
「いい子だから一緒に帰れるよね」
 ハリーは尻尾をパタパタ。
「ありがとう。いい子だね」
 レムリアはおいでと両腕を広げた。
 犬が歩み寄る。レムリアは両手でごしごし撫でてやった。
「あらま~」
「お嬢ちゃん。犬と喋れるのかい?」
 不思議そうな夫婦。
「そういうわけではないんですけど……」
 レムリアは言った。
「すごい……魔法みたい……」
 自分を見つめる真美子ちゃんの目がまんまる。
「そお?」
 
(つづく)

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