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【魔法少女レムリア短編集】東京魔法少女-7-

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 そして真美子ちゃんがハリーに骨をあげている間に。
「これ、持ってってやって」
 レムリアに買い物ビニールを手渡す。
 温かい。
「チャーハンと餃子だ。あんたラーメン自分で作れるかい?」
「え……」
 レムリアは瞠目した。
 同情にあふれる主人氏の表情から全て読み取る。
 真美子ちゃんの家庭環境は決して良いものとは言えない。
「この子の母親、病気でもう随分伏せっているんだよ」
 レムリアは小さく頷いた。主人氏の意識に、真美子ちゃんの母親のイメージが浮かぶ。それによると、母親はひと頃、このラーメン屋で働いていたらしい。
「母ひとり子ひとりだから、充分に食べてるか心配でね。最もこの子は嫌がるんだが……」
 施しを受ける。受ける側の気持ち……さもありなん。
 一計。
「おいくらですか?」
 レムリアは財布を出した。
「え?いいよこれは……」
「元々晩ご飯どこかで買って帰るつもりだったんですよ。どうせなら真美子ちゃんちで作らせてもらって食べようかなと。……真美子ちゃん。私の作ったご飯食べてもらえるかな。私ね、今、お料理の勉強してるの。私の料理食べてみて、味に点数付けてよ」
 レムリアは言った。勉強しているのは確かである。
「テレビのグルメ番組みたいにさ」
 真美子ちゃんの顔がにわかに晴れやかになった。
「うん。いいよ。でもまみ厳しいよ」
「よろしくお願いします先生」
「じゃぁ500円だ」
 レムリアの意図を汲んだか主人氏が言った。しかしすぐに。
「でもウチの料理の代行調理アルバイト代が500円だ。だから差し引きゼロ」
 財布から硬貨を取り出したレムリアの手を押し戻す。
 やられた……レムリアはちょっと笑った。
「一枚上手でらっしゃいますね」
「年の功ってね」
 レムリアは主人氏の意図を汲み、硬貨を納めた。また今度お店の客として来れば済む話。
「じゃ、行こうか」
「うん!」
 
(つづく)

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