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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-014-

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 レムリアは言い、右の人差し指を自らの唇に当て、その指先を相原に差し向ける動作をして見せた。
 投げキッスのようだが違う。レムリアが魔女として変身の魔法を起動する時の動作である。
 月の精霊の力を指先に呼び込み、所望の結果を相手にもたらす。相手は月明かりの中でだけ所定の能力や外見を纏う。レムリア自身の外見を変えることも出来る。
 月明かりの中でしか作用しないのは、彼女が半人前だからである(と彼女自身は認識している)。長じると指先に蓄積しておいて任意に操れるというが、現時点では月齢に左右され、新月の日中ではコスプレもどきか小手品がせいぜい。……最も、そのコスプレと小手品を使い、病院でマジックショーを演じたりしているが。
「つまり……電子化人間ってことか。和風の」
 相原学はそう言ってはんてん姿の両腕を広げて見せた。
 その言動、言葉と外見のアンバランスにレムリアはあっけにとられた。
 申し訳なさや緊張感が吹き飛んでしまう。
 何故なら格好悪いのである。SFめいた言葉や概念に全くそぐわない。真逆。
 「ださい」という日本語の意味を体感する。
 結果、不謹慎かどうか判らないが音を立てて吹き出してしまった。
「あはは……」
「やっと笑ってくれたか。君のそういう笑顔が見たかったよ」
「えっ……」
 予想外の言葉であり、レムリアは正直照れた。
 あなたの作戦?自虐ネタって奴?
「まぁいいや。つまり君の見立てでは、オレには船長の能力を備える素質があるってことか?」
「ええその通り」
 答える口調が軽くなったと自分でも感じる。
「じゃぁ、いいや。お引き受けしますセレネさん」
 相原学はこれまた、あっさりと言った。
「判りました。では皆さん、出発しましょう」
 おーう!と男達の野太い声が響き、それぞれコンソールの所定の椅子に腰を下ろす。
 
(つづく)

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