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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-046-

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 相原の着衣を洗濯し、元通りパジャマにはんてんのスタイルに戻ったところで、レムリアは彼を自分の個室に招いた。ちなみに洗濯に要す15分の間、彼は背格好の近いシュレーター用の作業着を借り受けた。
「完全に別荘にしたな」
 レムリアの個室に入るなり、相原は手を腰にあて、ぐるり見回して言った。
 元々個室は船長・副長のみに用意されていたが、レムリアが女の子と判じたことから本部側が急遽用意したものである。
 広くはない。むしろ簡易宿泊所なみの寝起きが出来る……と書いた方が近い。白塗りパイプの簡素なベッドとバスルーム、ミニキッチンを備える。基本的に白塗り一色なのであるが。
 レムリアはそこに手を加えた。本当の自宅自室が殺風景なので逆を狙った。ふわふわのカーペットを敷き、花柄の壁紙を貼り、私物も少々。コンパクトオーディオに本に花瓶。
「えへへ」
 レムリアは照れて言い、そしてベッド下に手を伸ばし、大皿に盛られたクッキーの山を引っ張り出すと。
「ごめんなさい」
 と、ベッドの上に座って、言った。
 部屋に招待の理由。謝意とお詫びは頭を下げる……と、その誘拐事件の女の子を通じて教わったのを思い出し、ぺこり。
 対して。
「何が?」
 相原は、きょとん。
「だって……巻き込んで、迷惑掛けて、汚れてしまって……あまつさえは日本人のあなたに銃を扱わせた……」
「あまつさえなんて言葉よく知ってるな」
「はぐらかさないで」
「思い詰めないで」
 相原は即座にそう返して、
「気にすんなその位……うーん、こう言えばいいか?男の子は何か守れと言われて、それが義であると断ずれば道具は何だろうと気にしないよ。てまえ外見ダサくても男として育てられ男に育ったつもりでござんす。気分は船長。それに放射能オッケーな防弾ウェア着てんだ。無敵だぜ。何が怖いことあろーばさ……これ食っていいの?」
 相原はレムリアが答える前にクッキーを口に運んだ。
 
(つづく)

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