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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-066-

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「バカバカしい」
 アリスタルコスが否定する。シュレーター博士が彼を制す。
「光子ロケット乗ってその発言はあるまい。ブレインストーミングだ。奇想天外が含まれても良い、この画面に手書きで書き出せ」
 ブレインストーミング(Brainstorming)はあらゆるアイディアを否定せず持ち寄り、創造的結論を導こうとする発想法の一つである。
「じゃあ、地軸や地磁気に干渉……ありきたりだが」
 相原が先陣を切った。串刺したダンゴのような絵を画面上に指で描く。
「氷を溶かすと大洪水になるよな」
 アリスタルコス。
「もっと……何か自然環境、動植物に関わるような可能性はないでしょうか。密漁って相原さんが最初に」
 セレネが口を開いた。
「だとしたらガンシップの登場はご大層だな。食糧不足でごっそり大量に殺して持ち去る?ガンシップじゃなくて食い物買えばいいと思うが。それだけの動物がいるか?」
「クジラ」
 レムリアは言った。
「クジラ食う奴がいたな」
 アリスタルコスが相原をからかう。
「海洋民族が海生哺乳類食っただけだ。牛や豚食うのも宗教によっては万死に値するだろうが。スポーツハンティングと称してただ撃ち殺すだけよりましだろって。さておき、武装ヘリ囲ってまでクジラ欲しいか。おっとブレストは否定意見禁止だな。死んだクジラが南氷洋をプカプカ流れていました。まぁ不自然ではないなぁ」
 そこで全員のイヤホンに届いたのはラングレヌスの声。
『クジラ食う奴いたなぁ。お前、シャチの殺し方知ってるか?』
「何だって?」
『おお聞こえたか。洪水に乗ってシャチがオレを食いに来たのさ』
 動画が飛んでくる。レールガンの照準スコープの画像である。
 作戦席のテレビに映すにはやや荒い画像だが、ターゲットマーカーの「+」印が動く物体を追うので、それが海生哺乳類だと識別するのは楽である。洪水の中から白黒ツートンも鮮やかなシャチがジャンプし、梯子につかまるラングレヌスに口を開く。
 
(つづく)

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