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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-096-

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 そして、議論の最後にセレネが言った。
「この活動に関わる全責任はわたくしが負います」
 相原が首を横に振る。
「そんな汚れ役。我々の存続に関わる話で……自分が背負いますよ。個人として罪でも人類としては正しいと信じます」
 相原は自らの胸に手をして言った。
 それは、その姿は、レムリアにしてみれば、彼に二度目に出会ったときの、あの失恋して自暴自棄の様子に似ていた。
「いえ、それはなりません。元はと言えばわたくしの一存でお願いしたご無理。あなたは……何らの咎無く明日のゼミに出なくては」
 セレネは口の端に笑みを刻んだ。……危機を得て逆にニヤニヤしている男達と同じように。
「了解しました……総員出動」
 相原は呆れたように。そして再びのニヤニヤ笑い。
「了解」
「あの……」
 歩き出す男達にレムリアは声を掛けた。
「私も一緒に。ドクターを救い出したい」
「もちろんだ。いやむしろ催眠術を発揮してもらえると有り難い。来て欲しい」
 その3秒後。
 研究所を吹き下ろす暴風が見舞った。設えられたプールが波立ち、気嵐の如く水滴が飛んで周囲にざっと降り注ぎ、敷地を囲む樹木が、根こそぎ倒れる勢いで揺れ動く。
 研究所は外見上3階建てであるが、エレベータの機械室か、部分的に突出し、4階相当になっている部分がある。
 船は空中静止し、4名をその機械室ドア前に下ろし、直ちに中空へ離れた。
 ドア前の彼らに反応したか、ドア上部に設置された赤色灯が点灯・旋回。
「レーザで切るか」
「までもない」
 銃に手を掛けたアリスタルコスの提案を遮り、相原がドアノブを握る。
 バチッ、と、静電気の放電に近似の音がして煙が生じる。電磁ロックを焼損せしめたのである。
 防弾仕様の分厚く重いドアであったが、2メートル100キロが2人揃っていれば苦でもない。
 
(つづく)

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