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10Minutes10Years【後】

「かばうこと無いのよ。年頃の女の子のおヘソ見たり下着見たり写真撮ったり」
 あんたも見とるやないかい。ってか、そう言われた彼女の方が恥ずかしいのと違うか。裁判でのセカンド云々報道で見るが。
 すると、果たして、彼女の顔色が変わった。
「……勝手なこと言わないで下さい!」
 おばさんをジロリ。ホラ見ろ。一方、ブチ上げたおばさんの方も引っ込みが付かないようで。いやいやあんたの思い込みが事の始まりなんだが。認めれば済むんだが。
「何よ味方してあげてるのに。さてはあんた達グルになって……」
 無茶苦茶。大和撫子(ドライフラワー)のデリカシー崩壊は。
「父娘って証拠はどこにあるのよ!」
 ところがどっこい。
 彼女が出した生徒手帳。写真が1枚父娘のスナップ。
 ……オレが写ってる。否否オレそっくり。但し彼女は幼いが。
 彼女の目に涙。
「これでもまだ文句が!?」
 するとおばさん、オレの手を握る力が少し緩んだ。
 機と見て振り払うと、おばさん立つ瀬が無くなったか、うつむいて立ち上がり、荷棚のデパート袋をそそくさ集めて降りていった。
 発車チャイムが鳴ってドアが閉まる。
 彼女は涙目。それはそれで事情がありそう。
「すいません」
 小さな声。
「まぁ、座って。よく見かけるな、とは思ってたよ」
 彼女は頷くと、おばさんが立ったその席に腰を下ろした。
 断っておくがオレは妻子持ちであって、彼女の涙の事情の一助になればとしか思っていない。
「よく似てたもので、つい安心して」
 彼女は言った。
「オレと親父さんがってことかい?」
「そうです。お父さんが帰ってきたみたいで……そのいつも、すいません」
「気にするなよ」
 10年前に亡くなったという親父さんの面影を、10分間見るためだけに。
 
10yesrs10minutes/終

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