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【魔法少女レムリアシリーズ】博士と助手(但し魔法使い)と-03-

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「そんな彼女が笑ってくれた……本当、感謝です」
 そんな彼女の姿を毎日見ている所長自身も辛かったのだろう、豊満な頬に涙一筋。
「いいえ、こんなのでよろしければ、いつでもまたご下命下さい」
 辞して施設の建屋を出、黄昏れてきた運動場の隅、駐車スペースへ向かう。
 そこには所長氏のワンボックス車と、相原の軽自動車が止まっているが。
 その軽自動車の前、夕日に照らされ、カーディガンにジーンズの女の子が人待ち顔。
 “そのちゃん”である。
「どうしたの?」
 声を掛けたのはレムリア。振り向いたそのちゃんの前にスッと手を伸ばし、手のひらを開き、出てきたビスケットを彼女に持たせる。
 小手品。
「どうぞ」
「あ、ありがとう。……あの、出来ればその、内緒で、お話、したいことがあるんですけど」
 軽自動車の狭い後席に彼女を乗せる。
 そして飛び出してきた言葉に、白衣の二人は目を剥いた。
「私を弟子に……助手にして下さい」
 曰く、発明博士の出てくる童話を幾つか読んだ。まさか本当にそんな博士がいるとは思わなかった。
 いるんだったら助手になって“お母さんを見付ける機械”を作りたい。
 頭を下げる彼女に二人は顔を見合わせた。いや、このカッコはそういう童話の博士の単なる真似で……。
 って言ったら、この子はどうなってしまうだろうか。
「まぁ、研究所にまずは来てみるかね?」
 相原はそれこそヘンな博士よろしく、エラそうにポケットに手を突っ込んで言った。
 驚いたのはレムリア。
「ちょっと研究所って……」
「レムリア君。光圧(こうあつ)推進のアレを例の位置に用意しておいてくれたまえ。全部私がということで」
 そのセリフにレムリアは目を剥き、次いで小さく笑みを作った。
「はい博士」
 レムリアは答え、白衣の前ボタンを一つ外し、更にウェストポーチから大ぶりの無線機のような機械を取り出した。
 “そのちゃん”がそれを見て目を見開く。衛星携帯電話なのだが、ショップでお姉さんが販売しているのに比し、無骨で図体もあることから、“博士の謎の機械”に見えたのだろう。
 
(つづく)

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