« アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-015- | トップページ | アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-017- »

アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-016-

←前へ次へ→
 
 アルフォンススにシュレーターが応じ、船はその場から離れる。
「放射能漏出はありません」
 レムリアは報告した。相手の性質上、ミサイルを落としただけでは不十分。ここまで確認して初めて、必要な処理を終えたと言える。
 それは彼女の独断だったが、相原が傍らで小さく「それでいい」と言った。
 まず1発片付けた。先は長いが一歩を踏み出した。
 もう1発を探査し追尾。
 正面スクリーンに非常警報。
「攻撃用の走査(スキャン)を探知」
 レムリアは言った。ミサイルの標的にされた先軍国家のものだ。スクリーンには危機回避のための操作案内が優先度の高いものから順に表示されたが、今は逃げるための対応は邪魔。
 システムを切ってしまう。オフ要求に本気か?旨の再確認があり、なおもイエスと答えると、注意表示が画面の隅に出るだけになる。
 2機目を発見する。同じ轍は踏めない。全くの目視と手操作で巡航ミサイルの斜め上に船を付ける。
「船長。下は陸です」
 セレネが冷静な声で注意を喚起する。
『了解だ。海へ押し出す。シュレーター、奴の右側へ並べ。距離100メートル』
 船が巡航ミサイルの右横に並んだ。彼我の距離は100メートル。
『よろしい。一瞬で接近し、クローラ逆転で本船に吸着、接触せよ。そのまま左舷方向へ加速し、黄海へ。但し加速度は10G以下だ』
「了解」
 ドクターが答える。そして舵を握り、カメラの映像に目をやり、息を詰める。
 額に汗。
「行くぞ」
 舵を左に倒し、ほぼ体当たりに近い状態で巡航ミサイルに近づき、瞬時減速して接触する。空手のテクニックに、相手の肌に触れる寸前で拳を止める“寸止め”があるが、それに近似。
 そのまま進路を左に取る。船が半島上空で巡航ミサイルをぐいぐい押しながらスライド。
 
(つづく)

|

« アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-015- | トップページ | アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-017- »

小説」カテゴリの記事

小説・魔法少女レムリアシリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-016-:

« アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-015- | トップページ | アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-017- »