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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-064-

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 次に、共産帝国がこの機に乗じて日本や合衆国の国土・軍隊にダメージを与えようという意図は明らかと見て良い。一方、PAC3枯渇のタイミングを狙って先軍国家がミサイルを撃ったのも確かであろう。
 共産帝国はアルゴ号の存在を知っている。多国籍軍に敵視されていることも。
 共産帝国と先軍国家に連携があったかどうかは判らぬ。後者が尻馬に乗っただけかも知れぬ。ただ、両者は(露国も含めてだが)同盟関係にある。先軍国家への国連制裁を共産帝国が拒否権で遮ったことも幾度か。
 レムリアはそこまで察知すると、自らの理解に頷き、自分の提案を口にした。
 天啓、であった。
「船を、秋葉原へ」
 振り返り宣する彼女に異を唱える者は誰も無かった。
「了解」
 秋葉原の総武線バリケードより南側、神田川を跨ぐ万世橋(まんせいばし)の交差点にアルゴ号は船体を降ろした。
 降下爆風に合衆国と自衛隊が一旦待避。
「私が見ます。銃のスコープだけ貸して下さい」
「ほらよ」
 レムリアは言い、アリスタルコスからゴーグルによく似た形のスコープ部分だけ受け取り、操舵室を出た。
 舷側通路を歩いて甲板へ出る。
 サイレンと、屋内退避を呼びかける間延びした放送音声。防災無線がある旨相原から聞いたことがある。
 空を見上げる。赤みと黄色みが交差する空の真上はまだ青い。
 しかし、レムリアは、超常の視覚の故に、その存在を捉える。
 黒く焼け焦げた。塊。
 それこそミサイルであった。木製のミサイル弾頭。
 電子的探査装置に対し、テクノロジーで対応したものでなく。
 スコープを双眼鏡のようにあてがい、ミサイルに目を向ける。
 視線測距焦点。
『船のコンピュータが認識した。でかく作れば焼け残る、か。これじゃあ判らんぜ』
 呆れたような、しかし感嘆を含んだ、アルフォンススの声を聞いたその時。
 一発の銃声と共に脇腹を灼熱が突き抜ける。
 
(つづく)

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