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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-065-

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『レムリアっ!』
 悲鳴に近い彼の声が聞こえ、急速に意識が遠のき始める。撃たれたのだ、ということはおぼろげながら判った。
 ただ、痛みとか苦しみを感じない。
 死ぬのかな。
 視界がぐるぐる回り、船体や、青空や、兵士達の迷彩服が、モノクロのザラザラした様相に変わって行き、あらゆる物音を暴風のような耳鳴りが圧してかき消して行く。
 びょうと音と立てて風が舞い、髪の毛が視界を踊る。自分が立っていたはずの甲板や、舷側のロープが遠ざかる。
 受け止められる感覚と……はんてんの袖口。
 
 いいぞ行け!
 
 相原の、声だとは判った。
 イヤホン越しか、耳のそばかは判らぬ。
 暴風があり、船が踊って船尾を天に向けた状態で逆立ちした。
 強烈な照明が幾つも照らしてきたようであった。
 秋葉原周辺が目を射る白光に覆われる。
 複数の衛星が太陽光を反射し、この秋葉原に集めたのであった。
 合衆国・自衛隊同盟軍が緊急待避。その旨の無線通信。
 その時。
 船は船尾のリフレクションプレートを開いた。
 超絶の推進力を発するパラボラアンテナ型反射板を開いた。
 鏡衛星で集められた太陽光線はプレートで反射され、
 木製ミサイルを射貫いて火の玉に変える。
 続いて船は尻振るように船尾を動かし、太陽光を鏡衛星へ撃ち返した。
 日中なお見える恒星のような白光が蒼穹のそこここで明滅する。
 秋葉原が通常の昼光を取り戻す。
 
 共産帝国気付きました。別衛星で標的本船。レーザ光で攻撃されます。
 引きつけ役ご苦労さん。行きがけの駄賃に死人に口なしってか。そっくりそのまま弾き返せ。
 
 宇宙空間で船を射たレーザ砲台のビームが、今度は衛星で反射されて地上へ降ってきた。 リフレクションプレートは、再び、それをそのまま撃ち返した。
 
(つづく)

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