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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-066-

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 レーザ光が通ってきた軌道を逆行する。衛星で逆に反射され、共産帝国の砲台へ。
 そして、船は、倒れた。
 全てを使い果たして、どうと音を立て、国道17号に横たわった。
 軍靴の音が乱れ、遠巻きの兵士達が銃を手に駆け寄ろうとし、自衛隊員がすぐそれと気付いた。
「貴殿日本人か」
 相原のはんてんを見ての問いかけであった。
「はい。あ、“武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律”に伴う対応ですね、ご苦労様です。北のミサイルはご覧の通り我々が処分しました。そして見ての通り彼女はケガをしている。どうか我々への攻撃は容赦願いたい」
 相原の言に、自衛官は迷彩服群に手をして制した。
 
 共産帝国無線沈黙。
 本部です。多国籍軍が共産帝国砲台破壊を探知。これをもって攻撃解除を呼びかけます。
 
「(何故撃たない。ジャップの事なかれ主義にも程がある)」
 アフリカ系と思しき兵士の罵声。
「(少女がケガをしているのが判らぬか。保護優先だ。不穏な動きがあったら撃っても良い)」
 歩み寄る軍靴と、覗き込む迷彩服。
 視界傍らに別の銃口。
「貴殿、名前と身分は」
「相原学。鎌倉工業大学宇宙システム工学科。身分照会はそっちに訊いて欲しい。それより……」
「衛生要員!」
「ここに待機しております。ああ、これは」
 赤十字の腕章を付けた隊員が傍らに腰を下ろし、衣服をいじられる。
 衣服が濡れている感触がある。自分の血液、ということか。
 やりとりに合衆国軍隊からクレーム。
「(待て。JSDFの勝手な行動は許さない。そいつらには本国……ステーツ……から逮捕命令が出ている。本国の法に則り裁判を受けさせる)」
 JSDFとは自衛隊のこと。
「(その命令は大統領殿ですか?)」
 場違いとも言える冴えた女声に、銃口が一斉に反応し、向けられた。
 
(つづく)

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