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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-070-

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 無数の銃弾は一様にひしゃげた姿で、波打ち際に並ぶ貝殻のように、一同の周囲に落下集積していた。それは、それこそ透明度の高い防弾ガラスが配され、全弾叩き落とされたと解釈すれば合点が行った。もちろん、実際には光圧シールドだ。
『今を持って光圧シールド消失した。船の動力はバッテリだけだ。もう無理だぞ』
 イヤホン越しのその声は小さいが、マイクロバルカンの轟音に比して周囲は静まりかえっており、或いは、聞こえた者もあったかも知れぬ。
「(友軍を撃つとはどういう了見か)」
 自衛官が不快感を示す。
「(黙れ。どのみちジャップはジャップだ。JSDFもグルなんだろう)」
 自衛隊も共謀側。指揮官の物言いは無茶苦茶という次元を越えていた。が、何せ小隊の長であるせいか誰も咎めることが出来ない。
「(そいつらの身柄引き渡しを要求する。そいつらは核テロリストの容疑者だ。そいつらは医療研究所を破壊し、上院議員殿の努力を無駄にし、飛び散った病原菌で近傍の村々に多大な被害を与えた。我々の手配を知ったお前達は核テロリズムで全世界を混乱させることにより、我々の追跡を逃れようと計った)」
 指揮官は言った。その額に汗が玉をなす。
 事実と乖離しているとは恐らく判っているのである。しかし、正当化しないと自分の存在意義が無い。
 最もヘルムズが送り込んだ側なら、信じているやも知れぬ。
「(……よくそんなシナリオを思いつくものですね)」
 セレネはゆっくりまばたきした。
「(……今回の騒ぎで核ミサイルを処理したのは、あなた方の母国ではありません)」
 セレネは続けた。
 
(つづく)

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