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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-077-

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「夢と言うより、祈ってた」
 相原は、そう返した。
「えっ」
 レムリアが思わず目を開けると、今度は相原が目を閉じている。
「この娘を助けて下さい。世界の子どもを助けるためにも、この娘を助けて下さい。そう、祈った。理系のクセにね。祈ったよ。誰でもいいからと、祈ったさ。今こそ祈るべきだと思ったし、祈るしか無いと思った。お前さんが花咲いたみたいな笑顔で飛び跳ねてる姿思い描きながらね。こうなってくれってね。必死に祈るということがどういうものか、判った気がする。そのうち、眠り込んだらしい。夢を見たかどうかは判らん」
 相原が目を開く。
 今度は、自分が、語る番。
「なるほどね」
 レムリアは相原に一瞬目を合わせ、自分が、目を閉じた。
「夢ってさ」
 相原は特に相槌を打たない。しかし続けて良い旨は聞かずとも判る。
「人生反映されてんだよね。いやご大層な意味じゃ無くてね、知識と経験が映像に出てくる。……宇宙が出てきたんだ。地球と月を往復、も、凄い経験だったけれど、それだけじゃ出てこない、もっと広い空間。あたしの知識じゃない」
 テレビの音。
「男の夢、あなたの記憶、なら合点が行く。あんなスケールの夢あたしじゃ見られない」
 館内呼び出しの音。
「あなた出てきた。って言うか連れ出された。アルゴ号でね。宇宙へ出るんだ。二人っきりで。誰も知らない。こっそり私を連れ出すの」
「それで?」
 相原がひとこと挟む。
「銀河に沿っていろんな星々を旅するんだ。アルゴナウタイ訪問ツアーって。神話に出てくるアルゴの乗員達の星座を実際に尋ねるんだ」
「なるほど、オレならやりかねんな」
 相原は人ごとのように論評を挟む。
「それで、あなたからいろんな事教わった。ふたご座は兄貴星のカストルよりも実は弟のポルックスのが明るいんだ、とか、こと座の琴はオルフェウスの持っていたもので、主星ベガは1万2千年後に北極星になる、とか。あとなんだっけ、ケンタウルス座のアルファ星は……」
「やがて太陽に近づいて、重力バランスの変動から彗星が雨のように地球に降り注ぐ。か?」
「そうそう。この辺本当の科学的知見?」
 
(つづく)

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