« アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-077- | トップページ | アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-079- »

アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-078-

←前へ次へ→
 
「うん」
「じゃぁ、やっぱり、あなたの知識だ」
 レムリアは一呼吸置いた。
「この間会った時にさ」
 前述の相原が乗り組んで人種差別研究所を破壊した話である。
「あなたあたしにデートしろって言ったじゃん。正直言うとさ、似たようなお誘いを受けたことが無いわけでは無いわけでも無いわけですよ」
「なんじゃそりゃ」
「お茶しよう、面白いところ行こう……でも、宇宙へ行こうと言ったのはただ一人。でね、一つ訊きたい。口に出して言えって言ったら、言える?」
「……」
 相原が口にしようとした直前にレムリアは制した。
「待って、そう言うとあなたは『宇宙行こう』棒読みみたいに言う」
 相原は苦笑した。
「あなた、私のこと、好き?」
 相原は固まった。
 まばたきすらせず、レムリアを見つめ返したまま硬直。
「へへ、ごめんね、気が変わった」
 レムリアは言ってみた。
 言葉にされないでも判っているし、それは彼もよく知っていることだろう。
 ただ、彼に対する自分の情動は、過去自分に気持ちを示したどの男の子とも違うし、また自分に接するどの“大人の男”とも違うのだ。否、どっちでもある、というべきか。
「目を見て言うか?」
「ええ、出来れば」
「お前、命がけで守るに値する、女だ。女の子じゃねえ、女だ」
 相原は言い、レムリアの手を、両手で、包んだ。
 骨張ってクッション感の少ない、しかし熱い男の手。
 一つだけ予想に反したのは、ドキドキという脈動を感じないこと。
「学って歳幾つだっけ」
「22。13の女が真面目に好きだなんて言ったら世間一般的には犯罪。ロリコン、変態、逮捕」
「だろうね」
 レムリアは少し笑い、
「でもさ」
 相原のその言葉に、目を戻した。
「誰かのために生きてるって自覚してるかどうかに、年齢は関係ねえんだ」
「胸ぺったんこの童顔でも?」
「この娘は一生懸命生きてる。誰かが生きるために一生懸命生きてる。それがオレの第一印象で、それがオレの君に対する思いの全て。あーあ、言っちゃった」
 
(つづく)

|

« アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-077- | トップページ | アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-079- »

小説」カテゴリの記事

小説・魔法少女レムリアシリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-078-:

« アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-077- | トップページ | アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-079- »