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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-083-

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 相原がハッと気づいたように覗き込む。
 そして気付く。今、彼に自分の真実を開示すべき時が来たのだ。
「13歳。え?あらあなたもナース?なの?え?13歳で?」
「はい」
「メディア……ごめん、これなんて読むの?」
 レムリアは一呼吸おくと、看護師と、相原を見た。
「メディア・ボレアリス・アルフェラッツ(Media Borealis Alpheratz)」
「へぇ……何か古風な響きね。どこの言葉?」
「ラテン系の古語と聞いてます。メディアが私自身の固有の名前。ボレアリスは南の意味、そしてアルフェラッツは国名です」
「国名?名前に国名って凄くない?日本武尊みたいじゃない。え、ちょっと待ってアルフェラッツ……」
 聞き覚えがあるのか、看護婦は腕組みして考え込んだ。
 相原が二人の会話、言葉のピンポンに合わせて、目玉と首を行ったり来たり。
「13歳」
 看護師は念押しするようにレムリアを指差した。
「はい」
「ナース」
「そうです」
「ちょっと待っててよ。彼にも何も言っちゃダメ」
 看護婦は首を傾げて言うと、バインダーに挟まれた書きかけのカルテをベッドに置いたまま、部屋から出た。
「バレたかな?」
 レムリアは呟いて舌を出した。
「え?」
「いやこっちの話。わーいいただきま~す」
 割り箸をぱちんと割る。
 相原はあんパンの袋を破って取り出し、かじる。
 数分して、看護婦が何やら雑誌片手に戻ってきた。
「これでしょ」
 ページを開き、ベッドの上に広げる。
 そこには頬を赤らめ、看護婦の白衣に身を固めたレムリア。
「“最年少看護師はお姫様”」
 相原の全身が凝固した。
「へ?」
 今度こそ相原は冷静さを失ったとレムリアは思った。
 シャケの切り身から小骨を抜く。ちょっと勝利感。
 看護師は記事とレムリアを見比べ、納得したように頷いている。
 
(つづく)

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