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【理絵子の夜話】犬神の郷-47-

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 やがて王権側の同様な能力者によって封じ込まれる。前出の伝説中の出来事である。
 裏返せば、以来1000年余をこの地に封じられたまま。
 その間、蔑まれ、彷徨った者達をここに集めたようである。地下茎状のつながりは文字通り人間同士の交わりの霊的表現。リアル恋人同士の究極の愛の姿が性行為なら、彼らの代替がこれ。
「霊が本質で肉体が仮の姿。どんなオカルトの本にも書いてあるけどさ」
 理絵子は独りごちるように言った。
「肉体の恋は肉体でしか出来ないんだよね。肉体が蔑ろにされることを意味しない。そこが地上における私たちの居場所なんだ」
 理絵子は158センチ43キロの自らを愛おしく感じた。男子達は学年よらず文句なく学校一の美少女だと囃す。神々しくて神秘的で近づけないとも評す。好きになっても声かけることすら許されないんじゃないかと。同様に綺麗な娘と誉れ高い登与とイザコザを演じ、そして今、共に過ごす間柄になったことは少なからず話題になった。仲良くなるべくしてなったのだという声も聞く。
 が、そんな肉体的属性に関して、自分自身で関心を持ったことは無かった。成長に関する悩みを抱いたことはないが、大事にしようという気持ちも無かった。
 だが、今は違う。
 登与が言う。
「天国へ行きましょう。霊に気付きましょう。宗教団体の勧誘常套句。でも違うんだよね。肉体は試練でも何でも無い。億年単位引き継がれてきた地球生命の証。地球にいる以上、これを守り次代へ受け継ぐことこそ地球生命としての第一の義務」
 ここに、地球の生命を担う存在としての自分がいる。それも女性として。
 ひょっとして霊という存在を知ることは、逆に肉体の持つ奇蹟性に気付くことではあるまいか。
 巫女が、霊界との通信の担い手が女なのは、他でもない生命に通じているからではあるまいか。
 古代、女性は太陽であった……平塚らいてう。
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(つづく)

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