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2012年11月

【作者言伝】書いてる物とか予定とか

創作目的のサイトが創作以外の書き物で埋まったらオシマイなんだけどね。
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当面の予定です。
11/28に載せたエウリーの話はあれ1発で読みきりです。翌週12月5日からは
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「真っ赤な電車のひみつの仕事」
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という別のお話を始めます。ジャンル的には「大人向けの童話」になります。で、書き上がってます。一気に出すには長いので小出しにするだけ。
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「リトル・アサシン」は週に1度をかたくなに守るつもりでいるので、終わるのは13年1月いっぱい。ちなみに原稿用紙60枚程度。
2月1日からは「ミラクル・プリンセス」が毎日更新で走ります。
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その後ですが。
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エウリーからは示唆だけ来てます。
「伸縮自在の全面戦争」(仮)・・・うーん凄い内容なんですが、これブチかましていいんでしょうか。
レムリアは「ミラクル……」で全部がココログに載ることになるんですが、「リトル・アサシン」の後ろに来るのは
「Baby Face」という話で、少し進んでます。一つの区切りを示唆します。あ、レムリアの話が終わるわけじゃありませんよ。
「魔女と魔法」で一部がリッチテキストで作成されていたのでプレーンに直しました。その分新規にファイル作成されていますが気にしない。
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恋の小話増やしたいなぁと思う昨今。

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【妖精エウリーの小さなお話】つばめは人家に巣をかける

 日本では初夏の風景ですね。ツバメが軒先に巣をかけて産卵子育て。
 彼らは人家を“人間さんの勢力範囲”と認識して営巣しています。人間がいると自分達の敵が寄ってこないと知っているのです。とかく人間活動が自然の生態系を崩して、と言われがちですが、人間さんもまた地球上の生物として活動範囲を広げているんだ、と考えることも大切だと思うのです。結果当然、人間さんの環境に適応した生き物たちが出て来ます。犬猫を始め、街灯に巣を張るクモや、自動販売機の照明下でエサを待つカエル。鳥たちもそう。
 ああ、自己紹介がまだでした。
 私の名はエウリディケと言います。略してエウリーとか、女属性なのでエウリーちゃんと呼ばれることも。ただ、人間さん達には見えないかも知れません。私たち種族は人間さんとのコミュニケーションを基本的に許されておらず、極力姿を隠しますので。
 なぜなら、人間さんが、妖精なんかいないと決めていらっしゃるから。……状況によりけりですが。
〈何とかならんもんでしょうかね、という事なんです〉
 文字通り燕尾服着たムネアカツバメのダンナさんが私に尋ねました。もちろん彼らは人語を使いません。私達とのコミュニケーションは専ら心と心の直接交信、テレパシーです。
 私はツバメの彼と共に、街路樹のポプラの梢から事態を見つめています。家屋の2階、窓際で口論する女の子と大人の男性。
 要約すると、女の子はこの家に引っ越してきてから体調を崩した。どうやら呼吸器系らしい。最近とりわけ調子が優れず、その原因は窓の下、車庫の入口に出来たツバメの巣にあるのではないか。羽毛、埃、病原菌。
 だから巣を壊すという男性。お父様のようです。対し涙で拒否する女の子。「ヒナがいるんだよ!?」
 それは当然、彼にとっては非常事態。なので私に男性を説得して……え?
〈違います。巣を壊すな、では無くて、そこまで庇ってくれる彼女に力になってあげたいのです。病気が治れば全て解決なのでしょう?ボクなりの案はあるのですが、どうやって実現したもんかと。それでご相談した次第で〉
 私たちの仕事は動物や昆虫たちの相談相手。
〈そこでお尋ねしますが、エウリーさんって、身体の大きさ変えられますよね?〉
 彼は私を見て訊きました。今現在、私の身体は人間さんの手のひらに載るサイズ。絵本でおなじみティンカーベル、ケルトの伝承に出てくるフェアリのサイズです。住宅街の梢にいて人目を気にしないのはそのため。茂る葉っぱの目隠しでまず見つからないから。
 ただ、数ある妖精の中でも、私たち種族は大きさを変えられます。元より人間サイズであるギリシャ神話のニンフの流れも汲むので、どちらの姿も取れるのです。ちなみに、衣服はニンフ系の貫頭衣“toga(トガ)”です。白い布をぐるぐる纏っている姿は神話の女神様でおなじみでしょう。
「うん出来るよ。でも、私が大きくなっても……」
〈逆です。女の子小さく出来ませんか?空気が綺麗なところへ連れて行ってあげたいと思うのです。ボクの背中に乗ってもらって〉
「なるほど……」
 私は言って、しかしため息をつきました。彼の心意気は買いたい。されど。
「残念だけど、身体の伸縮は身体に備わった機能なんだ。君は飛べる、人は喋れる、そういうのと一緒。今君と話しているような魔法とは違うんだ」
 説明したら、ツバメの彼はしょげてしまいました。ちなみに魔法と書きましたが、人間さん向けには超能力と表現しておきます。天使様ほど強力ではありませんが、天国系の生き物ですので一通りの能力を備えています。ただし、飛ぶ能力に関しては背中の翅。
 翅。薄緑したクサカゲロウがモチーフで、ヒラヒラと頼りなさげな印象ですが、実は人間の子どもさん位なら抱いて飛べます。
 そう、彼にはムリでも自分なら。思いついたことひとつ。
「私が抱えて行くんじゃダメ?」
〈え?人間さんに見られたらまずいんじゃ〉
「あのね……」
 ひそひそ話。
〈あ、あ、いいんですか?それならそれでももちろん〉
「じゃあ、今夜。ね?」
 そして。
 月明かりの夜でした。
 女の子がおやすみをして、部屋の電気を消したところで、ツバメの彼がくちばしで窓コンコン。
 女の子は気付いて身を起こし、ツバメの姿を見て笑顔と驚き。
 窓を開けてもらったところで中に入ります。彼は羽ばたいて椅子の背もたれに止まり、その間に私は手のひらサイズで隅からこっそり。大丈夫、女の子はツバメしか見ていないので気付いていません。
 女の子は喜んでいるようです。声を押し殺しているのは親御さんに気付かれないように。
 そして、そっと出されたパジャマの手指に、彼が飛び移ったところで通訳。
「咳が止まらない病気とか」
 女の子には紳士の声で再生されたはずです。テレパシーの応用で、意図して空耳を聞かせていると書きましょうか。
「喋れる……」
「妖精さんに魔法を掛けてもらいました。あなた様の私ども家族へのお気持ちに感謝し、今宵空気の良いところへお連れしようと。遅くに申し訳ないですが何せ月明かりの間だけしか魔法が働かないもので。お付き合い頂けますか」
 彼は姿を大きくしました。
 以下全部私の差し金ですが、こんな能力で云々と細かいことは野暮なので書きません。人体サイズの大きなツバメ。
 それは観光地の案内キャラクターや、野球チームの着ぐるみマスコットを思わせる姿ですが、女の子は小さい頃良く見てたアニメのキャラクターと評しました。妖精の国と人間界との伝令で、必要があれば大きくなって人間を運ぶとか。
「なるほど。では同じように背中へどうぞ」
「えっ?」
 女の子はそのアニメの終盤、ピンチになった魔法の国を救うため、戦闘ヒロイン達を送ったくだりが格好良かったと話してくれました。
「それを私が……これは、夢?」
 背中に乗ります。おんぶの要領。
「行きますよ」
 窓枠に移って、空にふわり。
「あっ」
 傍目には、翅生えた女が女の子背負って窓から飛び出し、になるので、見られるのは困ります。急いで上昇。
「どこへ?」
 彼は彼の知る高地の草原を挙げたのですが。私がひそひそ話で提案したのは。
「妖精の国です」
「うそっ!」
 もちろんアニメの中ではなく、私たちの住む場所。天国の一角。
 フェアリーランド。
「リクラ・ラクラ・シャングリラ」
 呪文一閃。一種のテレポーテーション。
 風景が青空に切り替わり、降り立ったのは湖水のほとりです。ぐるりと草原で、雲が霧のように草の上ぎりぎりを滑り、離れたところに森林の影が見えます。
「妖精の国……」
 女の子は呟き、裸足のまま草の上へ。
「改めて自己紹介を。私の名はディレール。差し出がましい真似をしました」
 ツバメの彼は紳士の態度で自己紹介し、元の大きさに戻りました。
「私は……」
 ユウコちゃん。小学6年生。
「もうすぐ頼んでおいたはちみつケーキを持ってきてもらえるので、待って下さいね」
「あ、うん、じゃないハイ」
 ユウコちゃんは答えると、水辺に近寄りました。
「綺麗……」
 水面に雲が映り、空が映り、彼女の顔が映ると魚たちが集まります。
〈人間だ人間だ〉
〈人間の女の子だ〉
「え?誰?」
 頭の真ん中で聞こえたでしょう声にユウコちゃんはキョロキョロ。魔法が効いて魚たちの声が聞こえたと紳士ディレールが説明します。
 ユウコちゃんが水面に指を入れると魚たちがつんつん。
「くすぐったい……」
 空の方も集まってきます。鳥たちに、チョウやハチなど飛べる昆虫たち。
 みんなに囲まれ笑顔の彼女はまるで花が咲いたよう。ランドの生き物たちが彼女を受け入れ、彼女もそれを喜んでくれているようです。
 タイミングは今。私は身体を伸ばしました。手品の要領で手のひらにケーキを出して。
「エウリディケ……さん?」
 生き物の誰かが教えたに違いありません。ユウコちゃんが振り返り、私を発見。
「あなたが……よう……せい……」
「ええ」
 私は翅をチラリと見せて、彼女の元に歩み寄ります。
 指をパチンと鳴らしてレジャーマットを取り出して広げ、ケーキを置いて、ナイフとフォーク。
「夢じゃ……」
「ないよ。私たちの国へようこそ。さぁこれをどうぞ。薬草を練り込んであるから喉にも良いはずです」
 切り分けて差し出すと……ユウコちゃんはにわかに涙を浮かべました。
「どうしたの?……この辺の植物でアレルギー……」
「ううん。みんなが、私が来て嬉しいって。嬉しいって。わたし……」
 息詰まるような日々、を彼女は吐露しました。彼女が今の街に越してきたのは、私立中学への進学に備えて。この1年ばかり勉強だけの毎日。しかもそういう背景で気持ちが消極的なせいか、友達が出来ない。むしろ避けられてる気がする。されど中学受験ですから、状況がまだ1年続く。
 比して彼女はファンタジックな物話やアニメが大好きとのこと。しかも見る読むだけではなく、いつか自分もそんな物語をと考え、実際書いたりしているとか。だから、ここは、それこそ夢見たような世界で、歓迎されて嬉しい。
 ただ、そうした気持ちも創作も、現実は親御さんの指示で全て封印「くだらない」。
 引っ越してきたのも、退路を断つというか、他を選ばせるつもりは無いという無言の圧力。
 そして、体調を崩した。診断は喘息。
 私は頷きました。そして思ったのは、それは喘息じゃない。理想と真逆の現実によるストレスとプレッシャーのせい。
「苦しかったね」
 マットの上にぺたんと座り込んだユウコちゃんが頷きます。私はゆっくり背中をさすりながら。
「あなたの咳はツバメたちのせいじゃありません」
 まず、そう言いました。
 ユウコちゃんが私を見ます。
「これを食べれば暫くは出なくなるでしょう。薬ですから。でね」
 対策:勉強なんかやめちゃえ……言うのは簡単かも知れません。実際、普段の私ならそのための作戦を考えたでしょう。
 でも、彼女は創造の翼を求めようとしている。コミュニケーションの点でも、後ろ向きの気持ちはマイナス。
「ファンタジーなお話は小説?それともマンガ?」
「どっちもです!」
 ユウコちゃんは目を輝かせて答えました。
「だったら……ひとつ提案してもいい?どうせなら、猛勉強して学校受かって、見返してやるのはどう?合格すれば問答無用で書いていいんでしょ?」
「えっ?」
 彼女は眉をひそめました。あんたも敵か、その目がにわかに金属的な輝きに変わります。
 でも、私は別に親御さんに味方する気はありません。子どもは子どもらしいことが一番。
 ただ、
「ううん、親の言うこと聞きなさいってわけじゃないんだ。ただ、お話しを作るのってとっても沢山勉強する必要があると思うの。例えばこの今起こっている出来事を物語にするとしましょう。すると、知ってなくちゃいけないことが沢山出てくると思う。今、私は薬草が入っていると言いました。名前が判りますか?飛んでいる虫たちの種類が言えますか?私のこの翅はどう表現しましょう」
「それは……」
「そういうことを書こうとしたら……言葉は多く知っていた方が良くないかな?」
「それはそれで勉強しなきゃ、か。やっぱり……そうか」
 ユウコちゃんは少ししょげた顔。そこで。
「学校なんかぶっちゃけどうでもいいじゃん。合格したらこっちのもん。堂々と書けばいいじゃない。それに、そのためにした勉強がお話にも使えるから無駄にならないし。こういうの本末転倒って言うんだけどね」
 ウィンクしたら、ユウコちゃんに少しの笑み。
「本末転倒作戦、か」
「そ、本末転倒作戦。というわけで宣戦布告。『合格してやる。但し、私の受験ごときで鳥たちの命や住処を奪うなんてもってのほか!』って」
「かっこいいっすねそれ」
 ディレールが目を輝かせます。
「たまにはね」
 私はすまし顔。流行り言葉でドヤ顔ですか。
 ユウコちゃんはゆっくりと、そしてニッコリと笑ってくれました。それはストレスがモチベーションに変わった瞬間。
「ありがとう。元気が出てきた。私頑張ってみる」
「それでこそ夢見る女の子。でもね、普通の学校じゃないからとても苦しいこともあるかも知れない。その時は……」
 私は別の魔法を用意しようとしました。すると。
「その時は、僕が飛びましょう。すぐにエウリディケさんにお知らせします」
 紳士ディレールが一礼。
「あらかっこいい。じゃぁ頼もうかな」
 私は言いました。“最後の手段がある”これだけで不安は安らぎ、もう少し頑張ってみようという力を生むものです。
 彼女がそれで納得できれば、これ以上魔法は不要。
「僕だってたまにはね。だから、女の子さん、今年は冬も軒先を貸して下さい」
「もちろん。たとえこれが夢だとしても、夜明けに魔法が解けたとしても、私は、あなたと、家族を守るよ」
 するべき事を見つけた女の子は、可愛く、そして何より、かっこいいものです。
「ゆっくりして行って。夜明けまでに戻ればいいでしょ」
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つばめは人家に巣をかける/終
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tribute for "Syrop""Komachi""Yayoi"from Precure character's by @waka_fuumi on twitter
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妖精エウリーのお話一覧

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【魔法少女レムリア短編集】リトル・アサシン-17-

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 消毒をしてガーゼとテープ。
「やるべきことはやりました」
 彼女は言った。男達の表情が僅かに緩んで安堵の兆し。
 そこで気付く。この子の母なる人は?
 尋ねた回答、閉じ込めてある。
 その理由、この病気が母親のせいなら閉じ込めることで感染は収まるだろう。
 何故にそこで母を疑う。
「でも、違うんだよな」
 彼は言った。ナイフ経由というメカニズムは医師からの補足もあり理解したという。
「当たり前です。閉じ込めるとか何てひどいことを。あなた方は女を何だと思ってるの。ただ、お母様には、お母様自身にうつってしまうから、処置は終わったけど少し待ってと伝えて」
 もちろん、実際にはそれのみならず、パニックで大声など刺激のある行動を取られると困るから。という側面もある。
 少年が伝令に出たのを見送り、彼女は幼子の傍らに腰を下ろす。
「……」
 父親が異国の語で何か尋ねた。この後どうするのかという意味のようだ。
 あの攻撃性や粗暴さはすっかり影を潜めている。自分が形而上的な何者かとつながりがあるのでは、という認識。
「見守ります。見守るしかありません」
 彼女は言い、幼子の汗をガーゼに吸い取らせた。言葉は通じなくても気持ちは理解してもらえる、そんな気がする。
 実際、どんな名医でもできるのはここまで。現在までの所、人類は神経細胞に結合した破傷風菌毒素を再分離、攻略するまでには至っていない。そして、上記の激しい身体の様態は、毒素が神経細胞を冒していることを示す。
 だから、前記筋肉の硬直は発作的に生じるが、いつ起きるか判らない。昼夜の別はない。
 24時間体制で体内の戦いに付き添い、危機が生じたら即座に手を差し伸べる要がある。もちろん、一般の病院であれば集中治療室で対処する。
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(つづく)

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「3人揃った」意味~犬神の郷のあとがき~

以前ちょろっと書いた気がするが、黒野理絵子も本橋美砂も高校の文化祭で書いた劇の脚本に登場する娘である(1985および1987年)。その時の主役は高校生である美砂の方だったがまぁ今更どうでもよろしい。
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思うに、超常の力を持つというのは、裏返せばそれを要とする使命と一体であって、しからば、それを行使されたら困るサイドから阻止の動きが出てくるのもこれまた必定である。結果、対決の構図が出来上がって物語の根幹を成すのであるが、理絵子の場合敵方をも包含して友達にしてしまい、その辺ウヤムヤにしてしまうので、そろそろ「次の手」が送り出されてくるのでは?と作者としては考えている。ナニ?自分で書いてるくせに他人事みたいだ?これまた以前ちょろっと書いた気がするが、こと彼女の話に関する限り、作者に裁量権も決定権もないのである。提示されるままを文章に起こすことしか許されていない。
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それはさておき。
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このシリーズで一つ全体を通して登場するのは、今作でも彼女が触れている(ようやく気付いた?)が、「剣」あるいは「杖」等の霊的な指揮棒であり、死神という存在である。今作で死神は登場しなかったものの「死が必定だった」というアンチテーゼの提示がされた。最も、鬼族は人を食う=死をもたらす存在であるから、死の総本家はお呼びでなかっただけかも知れぬ。従い、レギュラー(?)をクビにされたわけでは決してない。むしろ、霊能娘が3人揃ったことの方が恐らく意味合いは大きい。超感覚に長じた娘と、浮遊能力すら持つ念動使いと、パイロキネシスを備えた巫女属性と。
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フルセット揃ったということは、フルセット必要な相手に備えるということであろう。
何か言ってましたね、霊の存在を知ることは肉体の奇蹟性に気付くことで、肉体を業苦として否定することを意味しないとか。
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それが彼女達の認識なら、相手方は逆、であろう。すなわち、人が生物として今を生きていることを貶めている者どもは、何?誰?
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【理絵子の夜話】犬神の郷-52・完結-

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「だめよ。これは先輩としての命令」
「はい」
 放り出すみたいでイヤだが、ごねたら佐伯さんは出発できないことも判っている。
 後世へ後世へ、神代から続いた女達のリレーに、ゴールを見たと伝えに行く。天で待ってるであろう彼女達の所へ。
「判りました。お元気で」
「ええ、あんた達もね。早く去ること。信じてるよ」
 彼女達は一礼して背を向け、歩き出そうとし、パチンと破裂する音がして振り返ると、風だけがあって佐伯さんはもうそこにはいないのであった。
「テレポート?消えると空気が穴埋めようとして音するでしょ」
 登与が問う。
「いや……この世にいない」
 理絵子は言い、天地を見回し確認し、彼女の目を見て頷いた。そして、こう付け足した。
「正確に言うとこの時代にいない」
「そうみたいね。私らをそばにいさせなく無かったんでしょう。時空のゆがみに挟まれたり落ちたりしたら何が起きるか。あ、ちなみに、私今あなたたち飛ばせるかってえとムリ。悪いけど歩いて帰るよ。周りでバンバン力使われるとこっちもテンション上がって普段以上の力が出るでしょ。多分それ。佐伯さんはそれこそ跳躍者(リーパー)だよ。奇蹟中の奇蹟」
「霊的に、じゃなくて」
「そう、直接その時代に」
 “後世に覚者が現れる”そう最初に言ったのは実は佐伯さんなのかも知れぬ。タイムパラドクスの世界。
 そして、時間跳躍者・佐伯さんから言わば“溢れ出して充満した”霊的な力によって、バリア形成や集団飛行などオカルトSFレベルの超能力が発揮できた。ゆえに“超人の挙動という意識も感慨もない”。
「佐伯さんってまさか女神様では」
 高千穂登与が息を呑む。時間跳躍などその位高度なはず、ということか。
 理絵子はただ、風の吹き去った方角に目を向けた。
「寒いの?」
「ううん」
 そして、火を操り、空を飛べても尚、見も出来ず触れることすら出来ない領域の存在に震撼するのであった。
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犬神の郷/終
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あとがき
理絵子の夜話一覧

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えーっとですね

差出人不明
見つからないまま
聞こえること見えること★
「圏外」★
空き教室の理由
午前2時の訪問者
知ってしまった(かも知れない)★
武蔵野にて★
彼女は彼女を天使と呼んだ
桜井優子失踪事件
出会った頃の話★
犬神の郷
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理絵ちゃんのお話これだけあるがですよ。
リンクされてないのは未掲載。まぁボチボチ載せて行きますわ。

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【魔法少女レムリア短編集】リトル・アサシン-16-

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 そこへ少年が戻ってきた。
「言われた通り電話を渡した。口を開けるならこれを使えと」
 気道確保用のツールを持ってきてくれたので使う。薄い金属板を噛みしめられた歯と歯の間に当て、少し押し込む。ネジを回すとその金属板が少しずつ変形して顎を開いて行く。工作物を固定する万力(まんりき)という工具があるが、そちらは締め付ける道具であるのに対し、同じ原理でこちらは開く。
 途中道具を交換し、2種類の道具を使って大きめに口を開かせ、マウスピースをセット、胃カメラを挿入する要領で気管へパイプを通す。
 ここで件の超音波診断機が活躍した。人工呼吸装置の挿管は慣れてはいるが、中の状況が見て取れる道具があるなら使うに越したことはない。取ってきてもらい、確認しながら管を通す。成功。
「それと、注射、もらって来たけど」
「ちょうだい」
「君に使え、と」
 彼女は怪訝な顔をした。つまり。
「言っちゃったの?ケガのこと」
「ごめん……その、うまく言えないけど」
 彼の説明は略す。要するに誘導尋問にイエスと答えた。
 次に電話に録音で返されたメッセージを聞く。既に全身症状が出ているならTIGはもう効かない……。
 だから自分に打て。しかし彼女は無視した。出来ることは出来るだけやるのだ。
 彼に手伝ってもらって各種薬剤を幼子に注射。当然強い反射が見込まれるので麻酔剤を皮膚に塗布し、極細の針を使う。
「それも……本当にいいのか?」
 TIG投与完了。
「平気だよ」
 答えてヘソ、感染源の処置だ。産着であろうか麻布を切り取って。
 周囲がひどく化膿しており、直ちにその部位の切除にかかる。その筋の用語でデブリードマン(debridement)という。ちなみに、痛んだ組織を蛆に食わせる治療法が昨今あるが、これも一種のデブリードマンである。
 麻酔を塗って処置する。描写は控える。父子は目を背けるでなく、手伝うでなく、彼女の所作をずっと見ていた。
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(つづく)

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【理絵子の夜話】犬神の郷-51-

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 まず、組長らが逃げたのは、鬼族に巫女を送り込んだ裏の目的が露見し、仕返しされると思い込んだから。すなわち鬼族に唯々諾々従っていたのではなく、巫女の能力による鬼族の殲滅を目していた。
 そして、それを指南したのは佐伯さん。
 何故なら、佐伯さんは。
「元禄地震、宝永地震と、大きな地震が続いた。その度に生け贄が出されてね。最初は怒りと苦しみばかり。でも見た通り鬼どもはそれすらも追いやる力がある。諦める者もいたさ。だけどそれじゃだめだろ?みんな虜囚になっちまう。そこでいつの頃からか、このままじゃいけないと。いつかきっと全て取りなす覚者が来ると。それまで代々申し送りをしようと」
 つまり、いつか現れるであろう、最終解決能力者にたどり着くまで、生け贄となった巫女が、次の生け贄となる巫女へ、霊的に、申し送りをしてきた。
 佐伯さんは、そうして、受け継いできた巫女の一人。
 逆に言うと、犠牲になった巫女達は、それなりに使命を持って次代へ伝えることが出来たがために、この世にとどまる必要も、怨嗟を持ち流離う必要も無かった。
「そしてあなた方が解決した。死を認めることが解決とはね。それは地の理だわね。ここで地震が多かったのは、地の理を解さないことに大地がお怒りだったのかも」
「天ばかりを求めるのは間違いである」
 理絵子はそう理解して口にした。
「その通り。地で生きているならまず地に従え。地をこそ知れ。そこすっ飛ばして天を語るな愚か者が。あなた方の周りにもおるでしょう?自分のことできないくせに人のことばかり気にするのが。人の業(ごう)なのかも知れませんね……さぁ、時が来ました。お行きなさい。あなた方によって全ては果たされた。私はあなた方をお返しする」
「佐伯さんは」
「私はこれから、私まで伝わってきた巫女達に、解決したことを教えに行くから。それに、この有様であんた達だけ残ると後々面倒。余計な疑いが掛かるよ」
「でも……」
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(次回・最終回)

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【魔法少女レムリア短編集】リトル・アサシン-15-

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 携帯電話をウェストポーチから取り出し、「てれほん」と見せる。ちなみに彼女の電話は世界各地を飛び回ることから衛星携帯電話。電話と言うよりは軍用無線機を思わせる無骨な機器である。ボタンをあれこれ押して音声メモ機能。
「医師に伝えて欲しい。不潔ナイフによる臍帯(さいたい)からの感染による破傷風の疑い濃厚。TIG必要。用意して欲しいもの。デブリードマン用具一式。ペニシリン……」
 薬剤の名前を列挙。同時に携帯電話に録音する。その電話と、ビニール袋に入れたナイフを持たせる。
「これ持ってって医師に聞かせて」
「判った。あんたは平気か。血が止まらないみたいだが」
「パカパカ動く場所だから仕方が無いよ。私のケガは黙っておくこと。君の秘密で」
「い、イエス・サー」
 強く言ったら、ビンタの効果だろうか、恐怖を感じたようで、彼はこわばった。
 電話をしっかり胸元に抱える。濡れないようにであろうか。
 彼が外へ出、次に行うことは幼子の気道確保。舌噛み防止。
 破傷風では前述の筋肉暴走の結果、自らの筋力で気道を塞いでしまったり、循環器系に障害が起きることもある。このためマウスピースを装着し、舌を保護すると共に、気道まで直接パイプを差し込むという対応が取られる。
 ただ、その前に自分を止血し、血が幼子に触れないよう手袋をする必要があろう。
 それこそ自分の傷口に付いた破傷風菌をあちこちに付着させてしまう。
 ウェストポーチを開いてソフラチュールを取り出し、そのプルプルしたゼリー状を食いちぎって傷口にかぶせ、サージカルテープを貼って固定。
 ゴム手袋を付ける。ポーチの中から日本の割り箸を取り出して……
 舌を噛まないよう、上下の顎の間に噛ませとしたいのだが、なにぶん凄まじい力で歯を食い縛っている。
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(つづく)

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【理絵子の夜話】犬神の郷-50-

←前へ次へ→
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10


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 鬼族の状況を見届けたいが、犬神が行けと言うので任せて振り切り、彼女達は集落へ飛んだ。文字通り飛んだ。役の小角(えんのおづぬ)、弘法大師空海が成したとされる空中飛行。イエス=キリストの湖上歩き。ただ、超人の挙動という意識も感慨もない。
 戻り降り立った集落は殆どが薄汚れた雪により埋め尽くされ、所々壊れた建造物の屋根や梁が突き出すと言った有様。
 テレパシーを使う。過去認知を起動する。
「誰もいない」
「え?」
「逃げたみたい。村落放棄みたいな印象」
「待って……残ってる。一人いる」
「佐伯さんだ!」
 3人は互いの立つ位置と感じた方向から、佐伯さんの所在を突き止めた。
 無残に折れて倒れている楠の根元。
 掘るより溶かせということで登与が火の玉を放つ。クレーターが生じたところで正しい位置を絞り込み、本橋美砂が念力一閃。
 佐伯さんは木の根に縛られて埋もれていた。口の中に夥しく雪が入り込み、意識は無く、体温も著しく低い。しかし生命は維持されている。
 めいめい着ている服を一枚ずつ脱いで着せかけ、口腔内の雪をほじり出し、登与が火の玉の術を身体に向かって行使する。
 心臓マッサージと人工呼吸。見よう見まねだが間違いないという確信に基づき。
 佐伯さんの記憶から事態を追う。要するに自分達が出て行った後、幾度となく生じた地震に組長らは恐れおののき、佐伯さんを縛り付けて逃げ出した。
「なぜ」
「私たちが失敗したと思ったから。鬼族が襲ってくると思ったから」
「だからって……佐伯さんが生け贄ってこと?」
 3人はマッサージを中止した。
 佐伯さんが意識を取り戻した。
「ああ、あんた達……」
「鬼族は犬神の手によりあるべき世界へ送りました」
 理絵子はまず言った。
 佐伯さんはゆっくり頷いた。
「そうかい。あんた達なら終わりに出来ると思っていたよ」
「しかし……」
 何故佐伯さんを縛って……尋ねようとして、
 全てがもたらされた。
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(つづく)

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【予告】「犬神の郷」と、その後について

全52回になりそうです。週1回なのでぴったり1年分ですが、別に計算してそうしているわけではありません。そうなったんです。理由は理絵ちゃんに聞いて下さい(笑)。
その後エウリーと、久々、大人向けの童話が控えてます。

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【魔法少女レムリア短編集】リトル・アサシン-14-

←前へ次へ→
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「呪われているのはそのナイフだ」
 彼がそう通訳したせいで、父親が激怒した。
 何事か怒鳴り、その怒声に幼子が驚いたようでびくりと震え、その小さな身体にあるまじき勢いで暴れ出す。
 破傷風は神経に影響を与え、その結果として筋肉がひどく突っ張り、前述の身体の反りや、強く歯を噛んだりといった様態を呈すわけだが、他に、僅かな刺激で爆発的な筋肉運動が惹起される現象も現れる。視覚、聴覚、触覚、嗅覚、振動……ささいなことで七転八倒し、その際例えば、自分の筋力で背骨を折る、舌を噛むなどして死に至るのだ。人間は五感から刺激を受けると応じて何らかの反射を示す。破傷風は通常なら言わば〝ぴくり〟で済むようなその反射が一気に全身発作になり、自身の命に関わる。
 父親は押さえつけようというのだろう、幼子の身体に覆い被さると、予告通りに彼女にナイフを投げつけた。
 しかし次の刹那、彼女は左手の人差し指と中指の間にそのナイフを挟んで取った。
 車中で見せた技と基本的には同じである。応じて父親は度肝抜かれたようにそれ以上の動作を止めた。
 そして、そのストップモーションが効いたらしい。幼子の発作も治まった(押さえつける行為自体、幼子には激甚な刺激)。
 ただ、車中に比して失敗が一つ。
 彼女の指の間から手の甲へと血が流れ出す。指の間の水かき状の部分に刃が触れて切れた。
 破傷風菌の付着したナイフの刃が。
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「う……」
 勿論こんな活動しているのでワクチンを受けては来ている。
 怖くはない。
 10年と言われるその効力が正しければ。
「お前……」
 流れる血筋に彼が腰を浮かせる。一方、妹の様子も気になり。
 ただ、その状況を彼女は好都合と受け止めた。
「呪いは私の身体が引き受けた。このナイフと引き換えに病気を治す」
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(つづく)

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