« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-089- | トップページ | 【恋の小話】星の生まれる場所(2) »

2013年5月 1日 (水)

【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-090-

←前へ次へ→
.
「彼女、どんな病気なの?」
 その問いにはレムリアが答えた。
「そうか……」
「正直なことを言う。彼女の薬は心臓の筋肉に悪影響を与えるタイプなんだ。だから仰臥位(ぎょうがい:仰向けのこと)だし“驚かしちゃいけない”だった。投薬自体が命がけだったわけ。だから、婦長がやらかした時はハッキリ言って背筋が凍った」
 CPRを始める際、レムリアが淡々と事実を並べたように聞こえたのは、実は恐怖感ゆえの硬さのなしたことであったのだ。
「でも……子ども達の気持ちが伝わってきた。やるだけやってみよう、って思った。」
「その気持ちが彼女を救ったんだね」
「えっ?」
「私にくれた物を、あなたは彼女にもあげたんだなって思ったよ。自分のために一生懸命になってくれる人。その存在を知ることがどれだけ、どれだけ心の栄養になるか。安心と平和な気持ちに包まれるか」
 由利香ちゃんのそのセリフに、相原がルームミラー越しに笑う。
「そういう状態の由利香さんを見て感想を述べたのが、昨日の電車のおばあちゃんだとオレは思う。心安らかな人間の表情や気持ちは、それを目にした人もまた安らかな気持ちにするんだよ。その点で由利香さん、あなたは素晴らしい宝箱をその心に持ったんでないかい?」
「え……」
 二人して後席で赤くなってうつむく。
「乙女をからかって……」
「そ、そうですよ」
「変態商品」
「変態商品」
 変態合唱1分間。相原が「うえ~ん」と泣き真似するまで続き、二人は笑い転げた。
 由利香ちゃんが言う。
「……あ~面白い。ね、お二人は漫才のショーはやらないの?今日みたいな病院にはそういうのもいいんじゃないかと。にしても変な病院だったね」
「あれは、子どものいる所じゃないよ」
 レムリアは笑顔を引っ込め、再び言った。
.
(つづく)

|

« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-089- | トップページ | 【恋の小話】星の生まれる場所(2) »

小説」カテゴリの記事

小説・魔法少女レムリアシリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-090-:

« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-089- | トップページ | 【恋の小話】星の生まれる場所(2) »