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2013年5月15日 (水)

【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-104-

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「いえ、いいんです。いいのです。あなたは、今こうしてここへ、まいかの元へ来てくださった。王女様であるあなたが、世界の、幾千幾万の子ども達のお姉さんであるあなたが……」
 言葉にならない。母親は大きな声を上げて泣いてしまう。
 レムリアはそのはるか年上の女性を抱きしめ、抱きしめつつ、まいかちゃんに手を伸ばす。
 まいかちゃんは満面の笑みで自らに伸ばされた手を握る。
「やっぱり魔法使いだったんだ」
「ごめんね。お昼は、あなたに充分に楽しんでもらえなかった」
 まいかちゃんは首を横に振った。
「ううん、ううん、まいか、魔法で助けてもらったよ」
「マジックをまだ見てもらってないもん。……お母様、今宵、彼女をひとときおとぎ話の世界へ招いてもよろしいでしょうか」
 尋ねた母親は、涙で何も声に出すことができない状況であったが、それでも、問われたからにはと思ったか、ハンカチで涙を拭い、しゃくりあげつつ、レムリアに目を向けた。
「ええ。ええもちろん。あなた様のお心のままに。まいかを、まいかをお誘い下さるというのでしたら」
 レムリアは、ゆっくりと頷き、母の肩に回していた腕を解いた。
 両の手でまいかちゃんの手を取る。
「立って、歩けるかな?」
「うん……。わぁ、この船に乗るの?ピーター・パンみたいに?ウェンディみたいに?」
「ネバー・ランドには行かないし、私に、翅はないけどね」
「じゃぁ、影じゃなくて翅を縫えばいい?」
 まいかちゃんの瞳が輝いている。今、彼女は確かに、物語の魔法の国に、遊びに来たヒロイン。
「さぁ、船が出ますよ。急いでください」
 レムリアは、まいかちゃんを、窓から外へと引っ張った。
 そこは、船の甲板。
 月明かりが落ち、その白銀の光で満ち、それと同時に、金色の光の粒子と感じる物が、煌めきながらふわふわと舞っている。
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(つづく)

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