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【理絵子の夜話】新たな自分を見つける会-17-

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 理絵子の歩みは床の上に積み上がった人体の前で止まった。複数の人体が覆い被さっているその中。
 理絵子は睥睨し、右腕を持ち上げ、なぎ払うように左から右へ振った。
 積もった枯れ葉が風に吹かれるさながら、人体の山がどたどたと崩れて広がった。
 悲鳴を上げてはいけないと田島綾は自らを制した。
 異形の生命体がそこにいた。
 食虫植物“ハエジゴク”を思わせた。植物の茎のようなものの上に、尖った歯のズラリ並んだ口の形状があり、双葉のように開いてあった。そして、男性器さながらの物体が口の下に生えていた。その姿形で床面すれすれに浮いているのであった。
 性器と口だけの生命体。それは男性に帰属する性質が暴走して権化となったとすれば説明が付いた。
 どうやら、牧師に取り憑いたらしい。
 以下、権化、と称する。権化はおぞましい形状の口を開いた。
 口の中には目があった。奥方に埋もれていたのがニュッと伸びて目玉の形状を出現させた。人の目に酷似した一つ目であり、血走っていた。
 権化、の周囲には怨念と復讐が雰囲気を作り、小さいがしかし、強固に固まっていた。それら想念が男性原理と結着して凝縮した存在と理解された。童話のリリパットのように小さいのは、田島綾が看破した通り“小ささ”へのコンプレックス。
 と、田島綾が意識したら、権化の目が田島綾を向いた。
 いや正確には目を向けようとしたのであった。それを理絵子が直前察知したのであった。
 理絵子は伴った重力場もろとも水平に滑った。田島綾は理絵子の真後ろではなく、権化から目線が直線で届く位置にいた。
 権化の男性を象徴する部分が膨張し始める。それは、牧師状態の“動作”の“続き”を意図していると解せられた。
「悪魔。本物」
 理絵子はそれだけ言った。理絵子は死神、怨霊、使い魔、……魔物の類いは過去幾らか相対してきた経験を持つ。だが、こいつは、見かけこそ小さいが、それらと同じ手法は通用しないと判った。
 

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