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【魔法少女レムリアシリーズ】転入生(但し魔法使い)-11-

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「住んどると短期間でクセになってまうでぃかんて(なってしまうから困る)」
 今度はハイタッチした女の子が吹き出した。
「薮原(やぶはら)、ツボか?」
 奈良井はテスト用紙を小分けして各列先頭に配りながら訊いた。笑いのツボにはまったか?の意。
「めちゃくちゃおもろい」
 薮原というその少女は、振り返ってレムリアを見、両の手人差し指で彼女を差して言った。長い髪で瞳の大きな、ちょっとニキビのある子だ。その瞳がキラキラし、楽しいこと大好き、という印象。
「ありがとがんす」
 彼女は敬礼にウィンクを添えて応えた。
 それでまた薮原は大笑いし、その際座っている両足をバタバタさせ、その仕草にクラス中が“またか”みたいになって沸いたのだが、さておく。
「お前ら笑い倒してテスト潰そうと思ってもお見通しだぞ。始め!」
 拍手1回パンと共に一気に静かになる。テストと言っても英文問いかけに英文で答えろ10問。これに20分費やすというのだ。そして終わったら答え合わせを兼ねて復習。何のことは無い。教員側の手抜きだ。“かったるい”のである。
 答え合わせは隣同士交換して採点。37名でひとり余るがそれは奈良井が採点。
 ひとときの静寂が過ぎ、終わり。
「はいそこまで。採点しましょう」
 ざわっとなり、感想の言葉が方々で飛び交い、答案を交換するガサガサ言う音。
 彼女は溝口と交換した。
 溝口の答案は筆記体。丁寧に覚えましたという印象。少し神経質というか、“形象”にこだわりすぎなのではないか。ただ、勉強自体は出来るのであろう。
「わぁ」
 その溝口が驚きの声を上げた。
「え?変?」
 彼女は覗き込んだ。もちろん、クラス中の目線が釘付け。
 これに溝口は萎縮。
「いや、あの、ごめんなさい。日常的に英語書いてる人の文字だなって。すごい読みやすい」
 

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