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天使のアルバイト-078-

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「なんかもう、そのために生まれてきたって感じ。まさに神様の使いというか、天職。そう、天職だよそれ」
「そうかな」
 エリアは自分を見回した。実際問題として“聖職”は嫌いではない。また、この巫女装束もこれはこれでよいという気持ちが強くある。大体この手の衣装や道具、更には呪文の類は、精神状態をそれに適した状態に持って行くために選ばれ、吟味され、洗練されていった結果のはずなのだ。最適化というヤツである。エリアは装束に腕を通し、そのことをひしひしと感じた。
「いや実はね」
 声を発したのは店長。
「今日、もう少し早く来るつもりだったんですよ。ところが彼女大人気でねぇ。オヤジも『もう少し、もう少し』って結局今まで。しかもそれでも引き留められたんで、無理矢理引っ張り出してきた位で……」
「人気者エリカです」
 エリアは少しおどけて言った。
 すると母親が、
「ふーん。どうでもいいけど、こんな寒い廊下で話すことないでしょ。エリカちゃん、お雑煮出来てるよ。店長はエタノールね」
「エタノ……おお、液体燃料ね。いただきますいただきます」
「私もお雑煮いただきます」
「由紀子は?」
「エリカが食べるなら食べる」
「……エリカちゃん。この娘あなたにあげる。仕えの娘にでも使ってやって」
「あはははは」
「ホラ、早く早く。お餅が固くなっちゃう」
 促されて、客人二人は部屋に入る。
 そして、こたつに収まったところで、店長が思いだしたように、葉書を取り出す。
「エリカちゃんに沢口の奥さん」
「女王様とお呼び」
「はいはい女王様。そういえばいつぞやのヤクザ屋さんのお母様からこんなおハガキが」
 例の股裂きの目にあったヤクザ氏の母である。
「……お母様!」
「そう」
「へぇ」
 

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