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アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-073-

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 火が壁となり小島に迫る。何か火を避ける、封じる方法はないか。
 現在津波は僅かに引き波。
 すなわち湾内から小島へ向かう方向。火の壁が波に乗り近づく。
「学!」
 レムリアは叫んでいた。
「学、助けて!」
 解答は無いかも知れぬ。しかし他に手は無かった。
『帆膜でフタしろ!海面を覆え』
 意に反し、相原からの学は即座であった。
『宇宙航行サイズに広げて蓋をし、酸素の供給を絶て』
 タブレットに画像が投じられる。それは天ぷら火災などの際、広げて被せれば良いという、膜状の消火器具であった。
 帆膜で同じことをしろと。
 アルゴ号の帆膜はサッカーコートのサイズに広がる。
 その状態で火の壁を上から覆え。
「レムリア、持って降りろ」
 ラングレヌスが上からプラズマガンをベルトでぶら下げて寄越す。
 レムリアは受け取る。ずしりと来る荷重。ベルトで肩から下げる。
 意図は判じた。そして、心配だが止める気は無い。
 彼にしか出来ない。
「船長。俺が持って飛ぶ。第2マストの固定解除と、俺の合図で展帆願う」
『許可する』
 二人の会話を聞きながら、レムリアはマストのハシゴを下りて行く。途中から滑り降り、更に甲板に飛び降りる。
 肩から下げた銃がガチャリ。
 その横にラングレヌスがどん、と音を立てて着地。
『船長いいぞ』
 ラングレヌスは不死身である。身体が粘土のような耐衝撃吸収性を有し、刃物弾丸の類いは食い込まない。水中でもそのまま溶存酸素を呼吸できる。熱に対する感受性も低い。ただ、真空の宇宙に放り出されたらどうなるかは知らぬという。
 その身を活かして今彼はマストてっぺんから10メートル超を飛び降りて平然としており、続いて帆膜を自ら炎の上に下ろしに行くのだ。彼はレムリアを見ると、親指を立てて見せた。レムリアの顔が心配で歪んでいるのであろう。実際その旨言いたい。が、それでも何も言わなかった彼女に感謝。の意だ。

 

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