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【理絵子の夜話】圏外 -14-

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「へ、蛇っ!」
 その爬虫類(アオダイショウである)と認識するや、8人は小さく固まった。恐怖も度が過ぎると声が出なくなる。

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(アオダイショウ。但し幼蛇。まねしないで下さい)

「どうするの?」
「どうもこうもこの向こうだもん」
「まぐ?」
「勘弁」
「おのおの方、うろたえるでない」
 時代劇調なのは大倉。
「一番後ろから何を偉そうに」
「蛇は確か騒いで音を立てると逃げるんだよ。だからみんなで地面をどかどかやってワーワー喚けば……」
 実行に移す。女の子が8人。ガニ股になって四股踏みよろしく地面をドカドカ蹴り、声を限りにワーキャー喚く。
 蛇はむしろ、声よりは大地を伝わる振動に反応する。かくて蛇は動き出し、するすると道の脇に姿を消した。
「ああ、いなくなった」
「誰かに見られてないよね。端から見たらバカ集団だよ私たち」
「何を今さら」
 周囲を見回し、無人であることを確認して歩き出す。緩い上りの坂道であり、左へとカーブしている。
 と、カーブの奥からいわゆるバン、業界で言うワンボックスカーが走ってくる。ドアに“旅荘塙”の文字が入っている。
「あれ?」
 田島が発見し、手を振る。
「おばちゃ~ん」
「なんだよ。言ってくれれば駅まで行ったのに」
 ワンボックスが止まり、運転席から、割烹着の女性が顔を出す。女将さんだ。
「ワーキャー言ったのあんたらかい。熊でも出たのかと思って飛んできたよ」
 8人は互いを見つめ合った。
 恥。見られてはいないが聞かれてしまった。
「……まぁいい。乗りな。少しだけどさ」
「え?でも6人乗り……」
「大丈夫よ」
 女将さんは一旦降りると、ワンボックス後部のハッチドアを開け、中に入って座席をたたんだ。

(つづく)

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