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2020年9月30日 (水)

【妖精エウリーの小さなお話】デジタル -05-

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 手のひらのコンピュータは何も言いません。そりゃそうでしょう。内蔵の計測装置に掛かるほど急激な電圧や波動は出てこない。
 すると。
〈おいディケどうした。何勝手にパニクってる〉
 意識飛ばしてくれたのは友であるミレイ。よく一緒に楽器を弾く間柄。
〈宇宙より大きな生物に食べられようとしているかも知れない〉
〈言ってる意味が判らん〉
 とはいえ、ギリシャ神話には巨大な神々“ティタン”族が存在します。その母神こそは、このフェアリーランドを統括されるガイア様だったりしますが、そのような“極めて大きな存在”自体は誰も否定しません。
〈マジか。侵略者なのか?〉
〈判らない。ただ、明確に存在が見えたわけじゃない。ガイア様なら何かお感じになってることがあるかも〉
 そうだよ。私は言いながら思いました。ガイア様はこの地の精霊でもあらせられる。
 その存在を含めて“食う”?
「ご長老。星々と話がしたいのですが……」
〈星々は何も知らぬと申しておられます〉
「いいえ、数多星々の感じていることを集めたいのです。遠く離れた少しずつの違いも集めて縮めれば形を成すのではないかと」
〈なるほど〉
 私たちは普段、地球の丸さを感じることは出来ません。でも例えばある瞬間における、“月の見える方向と高さ”を世界中から集めれば、それは地球の丸さを反映した結果になります。同じことです。それを数多星々に尋ね、集めれば何か判るのではないか。
〈協力するぜ。みんなにも声を掛けるわ〉
 これはミレイさん。
「ありがとう」
 すると。
〈星々が答えて下さいます。あなた方に集めればよろしいですか?〉
「ええ、はい」
 私は答え、フェアリーランド全体へ向けて“願い”を飛ばします。星々の言葉を受け止めて、感じた言葉を私に教えて……。
 その意図。“受信”側も数を増やして感度を上げたい。
 仲間達の声が返ってきます。
〈これは星々の声だったのか?〉
〈やはり意思が存在したのか〉
〈魔の種族ではないのか?〉
 淡く大きな泡のような物が、形として集約する。
 数多重なった“わずかな違い”の集合体は私の身体を熱くしました。
〈エウリディケ様、お身体が光っておられます……〉
 オーラライトのこと。

(つづく)

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