始まりは部長から課長経由できたメール。
「この研修の参加者に君を指定したから」
ヒューマンスキルアップ講座。
なんぢゃそら。
内容説明のパワーポイントが付いていたが、見ても何時から何時実践とか書いてあるだけで、コンセプトも最終ゴールもよく判らない。主催は人事、ああ何だ人事か、ここの押しつけてくる研修はイマイチ何を身につけさせたいのかよく判らない。実際、受けた研修の殆どが忘却の彼方だ。デカルト思考のブレイクスルー、あ、これは覚えてた(心理学とさほど遠くないから連鎖記憶で覚えているのだ)。
さておきメールを繰っていってカチンと来た。講座形式らしいが、何で土曜日に出てきて受けなくちゃならないんだよ。
しかも3度も。
そのメールから1ヶ月。
大柄な書類封筒が届く。リクルートマネジメントソリューションズなる会社の名義であり、人事経由。
中を開くと、封筒6通マークシート6セット。
なんぢゃ?
『このチェックシートを、あなたのお客様か上司・同僚の方など、5名の方に記入してもらってください』
は?
意図するところを解するのに5秒要する。そしてその5秒後、オレはぶち切れた。
なんで自分の研修で他人様の手をわずらわす?
内容上、対人交渉能力を推し量るアンケートであろう。でも、だからって、人様が自分に対して抱いている心情を、直接採集するというのはいかがであろうか。
思考シミュレーションしてみよう。この依頼に従うとはつまりこういう事だ。例えばあなたが付き合っている保険外交員などがいるとする。ある日あなたはその外交員にこう頼まれる。
「すいません、わたくしに関してこのアンケートにお答えの上、ポストに投函して頂けますか?」
まず、面食らうだろう。付き合いの接点と何の脈絡もないからだ。
それでも親切なあなたはアンケートを引き受ける。すると、中身は性格や行動パターンに対する選択肢がズラズラ。
あなたはどう感ずるだろう。これを正直答えたら彼女にとってマイナスになるのではないか、付き合いがあると言ってもしょっちゅう一緒じゃないからそんな事ワカラン…そんな事態に次々出くわすのではなかろうか。
その後は真剣に答える、適当に済ます、なんでこんなことを私が!?と怒る。真剣に答えるが何だか釈然としない…の、どれかであろう。
一方頼む方はどうだろう。そういう内容をお客様にポンと依頼できるのかという問題がまず生じよう。お客様、何か買って頂いているお客様にご苦労をお願いするのである。
そして、仮にお願いして、待っている顧客の反応は上記4パターンのどれかだ。真剣に答えてくだされば申し訳ないと感じるし、適当ではデータとして意味をなさない。怒りを買ったら逆効果である。
躊躇って普通ではないのか?
問題点を箇条書きする。
1.自分の、研修である。なのに人様を巻き込む。この必然性の要否と迷惑
2.自分のアンケートだけで自分の現状能力を推定してくれないようなヘボな研修に価値を見いだせない
3.5人もの人に頼むという気苦労
4.その実効性に対する不確かさの存在
あとは職場の性質上、みんな消灯ギリギリまで残業するほど忙しく、頼みづらいとか、5人依頼するのが難しいなどあるがまぁいいだろう。
要するに実情を全く無視したも甚だしく、リクルートマネジメントソリューションズが、こんな面倒な事をヒョイヒョイ頼めて当然、と考えているならば、心理学的考察が欠けていると断じる事ができ、2.項とと組み合わせて、そんな会社に「ヒューマンスキル」を語る資格はない、と結論する事が出来るのだ。
土曜出勤に加え、この面倒の押しつけ。幾ら何でも人事ふざけすぎである。
押しつければやるだろうと思ったら大きな大間違いである。
必然性と、5人とした根拠について回答せよと人事にメールした。
ちなみに断わると不利益だというならそれは「不幸の手紙」と何ら変わりがないという事になる。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ殿
以上記したように、貴社依頼の「ヒューマンスキルアップ講座」チェックシート記入は、依頼者、非依頼者の心情を無視しており、実行が困難なものであります。
また、そのような方法でデータを集めないと現状分析が出来ないような御社の「ソリューション」に、対価を取って販売するほどの価値があるのか、見識を疑うと共に異議を唱えます。
てゆーかふざけんな。何考えてんだ?
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