せとでん
「せとでん」
名鉄瀬戸線のこと。元々瀬戸電気鉄道という単独の会社で、愛称はこの時以来の物。世の中鉄道・走る車輛が、ステンレス製で電子制御、液晶モニタに自動放送、ICカードによるチケットレス…と進歩して行く中で、ここは昭和のまま止まっている。特に、「つりかけ駆動」と呼ばれる、昭和20年代のモータ装架装置を使用した車輛は、もはや大手私鉄の中ではここだけだ。ちなみに、昔の電車で多くあった、発進加速時に「んが~」と重々しく引きずるような音を発するタイプだ、といえば、あーあーあれかと納得されるお父様方は多いだろう。そんな電車が、「係員が操作する、反対側のホームへ渡るための踏切」「レンガで作られた明治時代の変電所遺構」「木造の整備工場」を擁した駅へゆっくり到着。それがせとでんの風景だ。
「ボロじゃん」
子ども達は切って捨てるかも知れない。確かに、ボロといえばボロだ。あらゆる面で人が情熱と五感と、職人技で切り回して動かすシステムである。エレクトロニクスを駆使した自動診断、メンテナンスフリーとはまさに対極にある。
ただそのかわり。
人の手が関わるシステムは、人の感性、リズムになじむように落ち着いて行く。それは「人の手が入っているな」という感覚を利用者に与え、システムに躍動感と魂を与える。結果、「人のぬくもり」を感じるメカに仕上がる。ボロ電車が軒先かすめてモタモタ走る時代遅れと書いてしまえばそれまでなのだが、なのに「せとでん」と呼ばれこうしてブログにまで書かれる理由の根幹は恐らくここにある。線路際で咲き誇る季節の花、近所のおばちゃんが掃除してる小さなホーム。手を振って電車を見送る子どもたち。
「人」を感じるから、この路線は人々の中にとけ込んでいるのだ。
しかし、そんなせとでんにも、「21世紀化」の大波が押し寄せてきている。それこそステンレスで電子制御の新型が投入されるし、木造の工場は、新工場の竣工に伴い、この6月でその役目を終える。係員が操作する踏切も、駅自体の高架化計画がある。
否定はしない。拒否もしない。でも願わくば、空気押しのけて走り抜けるのではなく、線路際の花を優しく揺らす、軽やかな風であってほしい。
(新型電車をハイテク信号システムで動かしてるくせに半日止まったJR東日本へのものすごい皮肉ですぜ)
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日本語の不自由な人がトラックバックなんか貼らないでくださいね。しかも全然無関係な。
ちなみにアタシがパソコン買って最初にすることは、アウトルック、アウトルックエクスプレス、IMEの削除です。判りましたか?判ったらおととい来てください。
(このブログはfirefoxとATOKで作製されています)
投稿: すのぴ | 2007年6月22日 (金) 23時52分
勝手に載せたら?
ちなみにひとからげにステンレスちゅーけどどれだい。
マルテンサイト系ステンレス鋼(martensitic stainless steels)
フェライト系ステンレス鋼(ferritic stainless steels)
オーステナイト系ステンレス鋼(austenitic stainless steels)
オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(austenitic-ferritic stainless steels)
析出硬化系ステンレス鋼(precipitation hardening stainless steels)
全部かい?オーステナイト系にしたって
代表的な物だけでも
SUS201(オーステナイト系)Ni(3.5~5.5%)、Cr(16~18%)、Mn(5.5~7%)、N(0.25以下)
SUS202(オーステナイト系)Ni(4~6%)、Cr(17~19%)、Mn(7.5~10%)、N(0.25以下)
SUS301(オーステナイト系)Ni(6~8%)、Cr(16~18%)
SUS302(オーステナイト系)Ni(8~10%)、Cr(17~19%)
SUS303(オーステナイト系)Ni(8~10%)、Cr(17~19%)、Mo(0.60%以下の添加ができる)
SUS304(オーステナイト系)Ni(8~10.5%)、Cr(18~20%)
SUS305(オーステナイト系)Ni(10.5~13%)、Cr(17~19%)
SUS316(オーステナイト系)Ni(10~14%)、Cr(16~18%)、Mo(2~3%)
SUS317(オーステナイト系)Ni(11~15%)、Cr(18~20%)、Mo(3~4%)
…(いつまでやる気だオレ)
投稿: | 2007年6月23日 (土) 09時10分