磁界電界電磁界誤解曲解一知半解
送電線などから出る電磁波について、世界保健機関(WHO)は18日、新たな環境保健基準を公表した。各国での医学的調査を基に、平均3~4ミリガウス(ガウスは磁界の強さの単位)以上の磁界に日常的にさらされる子どもは、もっと弱い磁界で暮らす子どもに比べ、小児白血病にかかる確率が2倍程度に高まる可能性を認めた。WHOは新基準に基づき、各国に予防策をとるよう勧めた。(ニュース記事まんま)
(..;)
何でもかんでも電磁波説には異を唱えている方であるが。
この記事もよくよく読むと、じゃぁって動物細胞で実験しても何も変化がない、と。でも統計的には差がありますと。原理判らんけど「かも知れない」から基準作ってね。でもそんなにカネ掛ける必要はないよ…。
どうなんでしょ。少し考察してみましょう。
「磁界」ってなんやねん、磁力が働いてる空間のこと。地球上に立っている以上そこ磁界。なぜなら地球が磁石だから。
WHOが相手にしているのは、「低周波交番磁界」。え~地球は北極S極南極N極の磁石ですわね(※1)この状態のまま動きませんね(※2)。交番磁界はこのS極N極が一定周期で入れ替わるモノ。WHOは主として鉄塔の送電線が作り出す1秒間に50or60回入れ替わる交番磁界を言ってます。
交番磁界食らうと人体はどう反応するでしょう。
磁界と何か反応すると考えるならば、人体に磁気を帯びた何かが含まれているか、電流が流れているか、どちらかが必要条件です。このうち人体では電流が流れていると解釈できます。
まず脳の活動。神経細胞を行き交う情報は電気パルスそのものです。だからMRIなどで電気的に脳の活動を取り出すことが出来ます。そこに磁界が加わると、電気を運ぶ粒子(電子および細胞中の各種イオン粒子)が力を受け、軌道を変えようとします。しかし、それだけですし、だからって細胞から飛び出すようなパワーは生じません。普通に、シナプスからシナプスへ、電気信号は届きます。
血流。血液中には各種イオンが含まれます。イオンは電気的にアンバランスであり、従ってプラス或いはマイナスの電気を持ってます。「ポカリスエット」のカンの表示でも見て下さい。この電気を持った連中が、血と共に身体の中を流れます。電気を持ったモノが流れているので電流そのものです。血の流れは電気の流れでもあるのです。だから、磁石を身体にくっつけると、血液中のイオンが軌道を変えようとし、ゆえに血流が少し変わります。「エレキバン」の存在価値はここに立脚しています。でも、これとて、交番磁界だったら、向きが交互に変わるため、例えば流す方向・戻す方向、同じ力が同じ回数掛かるだけで、トータルではプラスマイナスゼロ、影響があるようには思えません。
「結論ないじゃん」
承知。そこで発想を変えます。
電気を流せる物体のそばで磁界を変化させると、その物体の中に電気が流れます。電磁誘導の法則と言います。交番磁界というのは磁界の変化そのものですから、これによって血管に血流以外の「流れる力」が生じている、可能性があります。「あっ!」電気で飯食ってる人はこれだけでいろんな可能性が思い浮かぶと思います。共振、誘導加熱…ええ、電気の各種理論・現象が血流に適用されるのです。
ここで一つの数値の一致を出します。高圧線を流れる電流の周波数は50ヘルツか60ヘルツです。対し脈拍は60から90ヘルツくらい。そう、かぶります。それから血管には、特に静脈ですが、「弁」を持ってます。逆流防止です。電気回路で言うところのダイオードです。
「それじゃラジオじゃんか」
受信して…どうなるのでしょう。
WHOの依頼で研究者が行った実験は、「細胞」を用いました。これは白血病が造血細胞のガンであり、ガンは遺伝子が変異した細胞が増殖する現象だからです。対し人間は血流そして脳神経系という二つの電気回路を持ったシステムです。この点で実は、WHOの実験は、着眼点が少しずれているような気がします。ただ、造血組織(骨髄)にその活動エネルギーを供給するのは他ならぬ血液。血液の流れを制御しているのは神経です。何らかのミッシングリンクが存在し、血液や神経の電気的異常が、ガン化につながっている…否定する根拠はどこにもありません。肯定する証拠も見つかっていません。このためには、白血病発症の原理そのものを明らかにする必要がありますが…残念ながら明確ではありません。
一般に家の中にいる人は、ひとところで同じ姿勢を長時間取るはずです。対しラジオというのは、キチンと聞こえる位置に置いて使うものです。
サメは磁気を感じる器官を持ち、鳥は地磁気を使って渡りをします。生物進化の最終段階である我々人類にも、当然その手の器官か、その名残があっておかしくはありません。電磁波過敏症という症状がありますし、雷光で「びりびり」という音を脳の中に聞いた私がここにいます。百キロ上空の現象である流星を見た瞬間、音が聞こえる現象も知られています(爆鳴火球)。100キロを音速で馳せるには294秒必要なのですが。
いずれにせよこの問題には未知未着手の部分が多く、白黒付けるのは早計に過ぎる気がします。電磁波は「変化」によって他に力を及ぼします。そして高周波になるほど性質が光に近くなり、周波数が低ければ波動に、そしてゼロになると及ぼす力を失います。「どこからどこまでがこう」という明確な境界はありません。一方で電子レンジは水の分子を動かして熱を生じ、携帯の電波はペースメーカを誤動作させる。これらは事実です。しかし「電磁波」として十把一絡げにされているために、何でもかんでも電磁波は悪いという風潮を作っています。太陽光線も電磁波なのですよ?過敏症の人は外へ出られませんか?
電磁波はそういう性質ですので、一面だけを捉えて全体を語るのは危険ですし間違いです。しかもそういう不安を煽る側に限って、こじつけのようなことを平気でやってのけます。例えば時折電磁調理器が云々の書籍広告を新聞で見ますが、私が調べた限り(工業会の質問に対する回答)、彼らは鍋を載せずに磁界を測定しています。鍋載せないで電磁調理器の電源入れるバカがどこにいますか。
WHOは精査に精査を重ねての結論として「差がある」と結論したのでしょう。でしたら尊重すべきですし、それを是とするなら高圧線の近くは避けた方が賢明です。ただ電磁波とて色々あるので、だからって鬼の首取ったみたいに電磁波となの付く物みんなダメ、はいただけません。
感情ではなく、理性で判断してください。「誤解曲解一知半解」ダジャレだけで付けたタイトルじゃありませんよ?
※1北極S極南極N極
逆じゃないの!?いえいえ。磁石の北向く方が北向くからNorthでN極。南がSouthですよね。これは磁石のN極を地球のS極が引っ張り、S極をN極が引っ張るからです。つまり、磁石のN極が向いている方向…北に、地球自身のS極があるわけです。同じくS極の向いている方向にN極です。
※2地球の磁極は一定
正確には一定ではありません。数千年および数十万年の周期で逆転することが判っています。現在は「ブリュンヌ正磁極期」と呼ばれ、北S南Sですが、70万年より以前は「松山逆磁極期」と呼ばれ、SN逆でした。また、現在急速に地球磁場は弱まっており、このままでは1000年後に逆転、伴い一時期地球磁場が消滅すると言われています。あ、アセンションネタはお呼びでないので帰ってください。オカルトな小説書いてる私ですが、あまりにも破綻しすぎです。
(地磁気の逆転で人類滅亡なら、人類は過去に何回絶滅しとると言うんじゃ)
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