日本全国の行田市ファンの皆様お待たせいたしましたっ!
メルマガで企業がアンケート。良くあるパターン。
購読者は全国のいろんな年齢層、或いは逆に特定年齢層(主婦とか)なもんだから、ターゲット絞り込み、逆に狙いに対する感触など、情報を効率よく集められる。購読者側は、ポイントが貯まったり、抽選で何か当たったりなど、それなりのキックバックもある。
そんな中、先日妻の元に届いたアンケートがこんなの。
「行田市の観光」に関するアンケート調査
は?
この調査は、埼玉県行田市が観光振興を進める上で、市外の方々の認知状況やご意見を求めるためのアンケート調査です。アンケートの結果を使用して、魅力的な都市づくり、市内外の方々が「行田市を愛し楽しむことができるまちづくり」を進めるための計画策定に活かしていきたいと考えております。
調査結果に関しましては、統計学的な分析を行って処理されます。
平成19年8月
行田市役所 環境経済部商工観光課
「行田市」(ぎょうだし)と聞いて「あああそこやね」とポンと浮かぶのは、市民の方と周辺の方、この街に縁故がある方と地図ヲタ鉄ヲタくらいなもんだろう。先に最高気温の記録を出した熊谷より若干東方、群馬との県境に位置する。多くの方はココまで書いて「ふ~ん」てなものではあるまいか。「市外の方々の認知状況」を「統計学的な分析」とあるが、母集団の推定をある程度の確度で出そうとするにはそれなりの標本数が必要なわけで、正直、根本命題としてそこまで標本が集まるか、と個人的には思っている。ナヌ?埼玉だと思ってバカにした?とんでもない。今回はたまたま埼玉行田だっただけの話でドコでも同じだ。全国区の街なんて県庁所在地と著名観光地を有するところくらいなもんだ。従って、この手のアンケートにはまず「この街知ってる?」があってしかるべきである。「認知状況」を問うなら尚のことだろう。
「…やるの?」
「うん」
「この街知ってる?」
「全然」
名古屋市在住の普通の主婦だ。まぁこんなもんだ。ごく一般的な「市外・非認知」の回答者と言えよう。
だが、充分想定される、そういう回答者に対し、用意された質問てのが。まず性別とか年齢とか訊いて。
★問4 あなたのお住まいはどちらですか。(1つにチェック)
1.行田市
2.行田市以外の埼玉県
3.東京都
4.埼玉県と東京都以外の関東地方
5.その他の地域
…「東京」を意識する必要があるかどうか疑念があるが、まぁ一般的だろう。で?主に選ぶ観光地(山か海かなど)、その情報源を訊いて。
★問7 あなたは首都圏近郊への1日の小旅行先として、関東と周辺で好きな観光地・場所はありますか。それはどこですか。(2つまでチェック)
1.伊豆、富士、箱根など伊豆箱根地域
2.横浜、鎌倉、茅ヶ崎など神奈川湘南地域
3.お台場、ディズニーランド、房総など東京湾ベイエリア
4.東京都心、多摩地域など東京都内
5.日光、那須、軽井沢、大洗など関東北部地域
6.さいたま、秩父など埼玉県地域
7.その他
待てコラ(笑)
問4の5「その他の地域」に該当する人に訊く内容かこれ。しかも都内・埼玉はやたら細かい区分けのクセに北関東の大ざっぱさはなんだ。
5.日光、那須、軽井沢、大洗
なんで突然「大洗」が出る?別荘地か?海岸だったら夏限定になるじゃないか。袋田の滝とかならまだ話は判るが。
で?次の問いが?
●行田市の観光についてうかがいます
★問8 あなたは行田市に行ったことがありますか。それはどのような目的でしたか。
(あてはまるものすべてにチェック)
1.仕事
2.買物や通学
3.観光・遠足や修学旅行・レジャー
4.ドライブなどの途中で立ち寄り
5.親戚・知人に会いに
6.上記以外の目的で行ったことがある
→それは何ですか
7.行ったことはない
(・・)
そこへ飛ぶか。関東全域を問う次の質問がこれか。ちなみに7.行ったことはないにマルをつけると。
★問9 行田市の以下の観光資源や特色についてあてはまるものを選択してください。(それぞれ1つにチェック)
また、この中であなたが好きな場所・ものを選択してください。(3つまでチェック)
1.行ったことがある 2.知っている 3.知らない 好きな場所・もの
1.さきたま古墳群を中心としたさきたま古墳公園がある
2.忍城御三階櫓があり、郷土博物館で行田の歴史や文化に触れることができる
3.古代蓮の里で行田蓮(古代蓮)を見ることができる
4.水城公園があり、四季折々の草花が楽しめる
5.多数の神社仏閣や文学碑があり、至る所で歴史の息吹を感じることができる
6.蔵が多く、蔵を利用した店や体験が行われている
7.市街地には童の銅人形があり、道行く人を優しく迎えてくれる
8.さきたま火祭りや行田浮き城まつり、忍城時代まつりが行われる
9.利根大堰があり、水上レジャーが楽しまれている
10.南河原観福寺には石塔婆があり、国指定史跡となっている
11.フライやゼリーフライなど、地域特有のグルメが豊富である
12.市内の循環バスを利用することで、市域を無理なく訪れることができる
13.好きな場所やものは特にない
★問10 行田市の以下の食べ物や飲み物、特産品について、あてはまるものを選択してください。(それぞれ1つにチェック)
また、この中であなたが気に入っているものを選択してください。(3つまでチェック)
1.食べたことがある 2.聞いたことがある 3.知らない 気に入っているもの
1.フライ、ゼリーフライ
2.奈良漬け
3.十万石まんじゅう
4.和菓子・せんべい類
5.日本酒
6.藍染めの小物、足袋、衣料品、スリッパ等
7.気に入っているものは特にない
★問11 行田市内で行われる祭り・行事には次のようなものがあります。
この中であなたが実際に観たり参加したものはありますか。
(あてはまるものすべてにチェック)
1.桜ボンボリまつり
2.さきたま火祭り
3.蓮まつり
4.浮き城まつり
5.とうろう流し納涼大会
6.ささら獅子舞
7.行田市菊花展
8.商工祭・忍城時代まつり
9.酉の市
10.行田ゆく年くる年
11.観たり参加したことがない
●行田市の観光についてのご意見をうかがいます
★問12 行田市がより魅力的なまちとなる上で、次のどのような要素を大切にしていくべきだとお考えですか。(2つまでチェック)
1.行田蓮(古代蓮)のまち
2.風格ある城下町
3.利根川沿いの水と緑のまち
4.悠久の歴史と文化を感じさせるまち
5.商店や蔵が残る商業と足袋のまち
6.ものつくり大学などと連携した現代感覚のまち
7.その他
★問13 行田市がより多くの観光・行楽客を迎えるために、どのような点を改善したり充実させたらよいとお考えですか。(2つまでチェック)
1.イベントや観光情報を効果的に発信する
2.案内・看板やサインなどを整備し、よりわかりやすいまちにする
3.主な観光スポットを整備・充実する
4.足袋などの産業観光(楽しめる工場見学など)を強化する
5.田畑や農産物を活用しての観光(グリーンツーリズム)を進める
6.おいしい食べ物、観光土産品、特産物の開発とPRを進める
7.いろいろある資源の活用と関連付けを進める
8.観光ボランティアなど、まちをあげて「もてなしの心」を高める
9.市内バスルートをはじめ、道路・交通条件を改善する
10.その他
待て待て待て待て。
…だからよ。
「行ったこと無い」
つってんだろがよ。
「知らない」
んだよ。
部外者に何訊いてんだよ。
マイクロソフトのQ&Aみたいに本当に欲しい選択肢がない物にどう答えろと?で、仕方なく選んだ物に何の統計的な意味があると?
あのねこれね、前~の方にも似たようなこと書いたような気がするけどね、考えた人の「常識」が世間一般でもある程度通用するという「前提」で作られてるのね。
わたしゃ元埼玉県人です。東武電車を眺めながらザリガニ釣って遊んでました。別に埼玉で幼時を過ごしたことを恥ずかしいとも何とも思いません。鉄ヲタですから脳内地図に「行田市」→ここっ!と秩父鉄道の電車と共にイメージ出ます。「十万石」ってお土産のクオリティ充分あるお菓子だよねとか知ってます。でもね、こういうの見ちゃうとね。
「だから埼玉なんだよ」
と失笑してしまうのです。
自分を見て欲しいのは判ります。「ださいたま」払拭したいのは判ります。だったら、まず背伸びしない。余計なコトしない。そもそもは後から人が集まった地です。土着の物は少ない。なのに変な脚色して地域色出そうとするから的外れでバランスを欠き、垢抜けない「ださい」状況になるのです。
観光で街を盛り上げよう大いに結構です。それならまず特色を見つける。その質を高める。人誘う前に「自分たちが知りたい」と思わないと。全国区にブチ上げようとする前に「アド街」が取材しに来るような街じゃないと。
ちなみに行田の最大の宝物はなんと言っても埼玉(さきたま)古墳群でしょう。埼玉の名の由来であり、畿内に対し「辺境」であったこの地において、当時地方中核であったことを物語る遺跡です。関東平野の成立(縄文海進以後~坂東太郎の流路変遷)、富士山の火山活動、記紀等歴史書物との照合、同時代の墳墓で全く形態が異なる同じ埼玉県内の吉見百穴との比較検討…
充実させてごらん。てゆーか調べること山ほどあるんじゃないの?博物館に国宝並べて終わりかい?とんでもない。
全国区を目指すなら、折角ネタはあるのです。全国に通用するレベルに仕上げることです。作っておけば人は来るだろう…それは甘い。必要なのは本質。見てくれじゃなく中身です。ヘンなモノはいりません。ゼリーフライじゃくじゃくかじりながら関東の成り立ちを見つめる…ロマンとスケールがあっていいじゃないのさ。
同じ税金使うなら、もっと効率のいい使い方しようや。
※解説
さきたま古墳群:5~7世紀頃に作られた古墳群。日本最大クラスの円墳などある。
ゼリーフライ:要はおからとジャガイモのコロモ無しコロッケ。行田特有
十万石まんじゅう:つぶしあんこのまんじゅう。行田の菓子業者が開発。熊谷駅の売店でも買える
行田蓮:大賀蓮と同様な古代ハス。公共工事で掘り出された物が発芽。繁茂させて公園にしている。同市の天然記念物。なお公園のサイトに行くと、きつねうどん500円が新メニューとして加わったと告知されている。だから埼(以下自粛)。
危険率どのくらいで母推定できるかな(^^)
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