殺す気か
今日は予定していたネタがあったが事情によりチト変える。
育てていたトノサマバッタが羽化した。
早速オスが乗った(笑)。ペットは飼い主に似(以下略)
「これなにしてんの?」
「交尾」
「こーび?」
「バッタのらぶらぶちゅーちゅー」
大人になったら逃がす約束。その前にちょっと学用患者になってよ。
「ここが耳。バッタはここで音を聞く」
「うん」
「で、このお腹に点々が付いてるでしょ。これが気門。昆虫はこのお腹の気門から空気出し入れして息してるの」
「ふ~ん」
はい、協力ありがとう。この後届いたばかりのマイチャリに娘を乗せ、元の河川敷に連れて行き、放したら200メートルほど羽ばたいて飛んでいった。虫かご育ちなのになぁ。ちなみになんか最近のトノサマバッタ唖然とするほど飛ぶように感じるのオレだけか?なお、この飛翔力であるから、後ろ足が片方ないのは翅を持てばハンディじゃなくなる。
これは単なる日記。でもこれをふまえて。
ベネッセの教育雑誌「こどもちゃれんじ」…雑誌と付録とで構成され、雑誌の方は「よい子のお手本」みたいな童話風小話が載っている。正直ワルガキ出身としてはチト失笑してしまう内容だが、まぁ悪い事は書いてないので心配はしていなかった。
わ け だ が 。
「すてっぷ」の方8月号「ふしぎはっけんえほん」掲載の「おはなしげきじょう」
「リュウとヘラクレス」(文・絵 ふるかわ タク)
には異議を唱える。
あらすじは水嫌い風呂嫌いの男の子リュウが、虫取りの途中カブトムシのヘラクレスと出会い、彼がお姫様のルーシーと結ばれるのをアシストする、というものなのだが。
問題はそのお姫様と結ばれる条件。
「カブトムシ王国のお風呂大会で風呂に入って1曲歌いきる事」
気門のシステムは昆虫一般に共通のもので、カブトムシとて同じ事である。気付いた方あろう。…とりわけ拙作「謎行きバス」(註:原稿用紙150枚程度)を読んでいただいた方はお判りだと思うが、
子どもがこれマネして風呂に入れると、カブトムシは窒息して死ぬ。
ちなみにこんな話が載っているのは、この号がカブトクワガタ特集(夏休み向け)だからなのだが、呼吸器の解説は一切載ってない。親御さんの昆虫に関する予備知識が特集記事の内容のみであり、呼吸に関する知識がない、という可能性は充分に高い。
の、状態で。
「虫と一緒にお風呂に入れる♪」
子どもがここに着目したらどうするんだ。イヌでも飼ってりゃこの発想が出ても不思議じゃないぞ。
ちなみにヘラクレスがヘラクレスオオカブトムシ(Dynastes hercules hercules)を意識した物であることは疑う余地もあるまい。そして今日び、ヘラクレスは気の効き過ぎたペットショップに行けば結構なお値段ではあるが手に入る。ヘラクレス持ってる子供がいておかしくないのだ。
マネしたらどうすんだ。宝物みたいな虫がお姫様どころか死ぬんだぞ?
雑誌にあるふるかわ氏の経歴には「ちいさなかがくのとも」にも著作があると記してある。にしてはお粗末すぎる内容ではないのか。
童話とて命に関わる仕組みを無視した内容は許されない。ベネッセにはマジで抗議した。結果は追って。
※ゲンゴロウなど、水の中にいる連中は、翅とお腹の間に空気を貯める構造を持っており、気門の穴はそっちに開いています。なので気門と水が触れることはありません。
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