bound for tokyo
友人が言いました「東京駅に魅力を感じる」と。
そして私に問いました「その魅力の所以はどこに」
そこで私は、こう答えました。
http://www.jreast.co.jp/estation/stations/1039.html
東京駅はその開設(1914年)以来「工事が途切れたことがない」と言われています。のべつ拡大と改良が続けられており、明日の東京駅は今日の東京駅と必ずどこか違うのです。
東京駅は起点で終点。出発地であり目的地です。可能性を夢見てこの駅に降り立った人には、列車にとって終点で、その人にとって新しい出発であり、例えば東京の学生生活を終えて社員寮へ向かう人には、起点であり出発です。流れ流れて結局ここに辿り着いた人もあれば、何もかも失い都会に背を向けて故郷へ戻ろうという人もあるでしょう。
東京駅は過去と未来の接点です。戦火の煤残るレンガの駅舎を、有限要素法を駆使して設計されたコンクリートのプラットホームがまたぎ、情報社会の富が作った高層ビルが見下ろしています。
東京駅はまた、日常と異次元の接点です。通勤電車の乗換駅も、長距離切符を手にした瞬間、旅人に遥かなる地への扉を開きます。
東京駅は都会の中心にあって、故郷の空気を知る地でもあります。その鉄路は途切れることなく延び、列車には確かにその地の空気が含まれているのです。
変わり続けるその姿は、留まることを知らぬ日本そのもののようで。
膨張し続けるその姿は、飽くことない人の欲望を象徴しているようで。
人の生き様の全てが、その東京ドーム3.6個分と言われる地下5階から地上3階までの巨大な空間に収まり、文字通り日本の心臓として人々を受け入れ、そして送り出しているのです。
「東京発」の長距離列車の主な行き先リスト
北から
秋 田
盛 岡
新 庄
山 形
仙 台
新 潟
長 野
松 本
新大阪
大 阪★
岡 山
出雲市★
高 松★
広 島
博 多
熊 本★
大 分★
過去には…
長 崎★
佐世保★
鹿児島★
★は夜行列車
ああそうそう、この駅を終着に遥か「パリ」からやって来た列車が、過去に一度だけありました。
パリ→ランス→ストラスブール→フランクフルト中央→ベルリン・リヒテンベルク→ソハチェフ→ワルシャワ→ブレスト→ミンスク→モスクワ・ベロルシア→モスクワ・ヤロスラブリ→ノボシビルスク→イルクーツク→ウラン・ウデ→ザバイカルスク→満州里→ハルビン→北京→香港(九龍)→広島→東京
到着時刻は1988年10月18日午前10時30分。その名が鉄道史に刻まれてより105年後の出来事。創業者が夢見た「真・オリエント」に遂に到達したのです。
あれから今年で、20年です。
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