でも、何録る?
次世代DVDはブルーレイにケテーイ。ああそうですか。
実家と自宅と合計12本のスピーカでイタズラしている人間のセリフではないかも知れぬ。普段おとなしくエンヤとかプリキュア鳴らしているシステムが、一変劇場サウンドに変化するように自分で組んでいる。
家庭用録画装置の元祖はベータ…いやいや「Uマチック」である。幅3/4インチのテープを弁当箱みたいなカセットに収めた。聞いたことがない?…1971年で36万円。大卒の初任給(ホワイトカラー)が4万円の時代ですよ。買えたのは本当のセレブ。ちなみにどちらかというとテレビ局で使われ、2000年までカセットの生産は続いていました。
で、昭和50年代になってVHSベータ戦争が始まります。
結果は今さらですが、ひとつ書いておくべき、と思うことがあるのです。家庭用VTRの発売は、その目的から、当然のように著作権関係でイチャモンが付きました。その急先鋒が今でもうるさいネズミ系であり、矢面に立って敢然と受けて立ったのが実はソニーでした。良く、ベータの敗因は、一番録画されるプログラムである「映画」が2時間に対し、当初1時間しか録画できなかったから…と言われますが、実際のところ死命を制したのは「アダルトビデオ」だと言われます。はい、お気付きの方あるかも知れません。ベータのエッチなビデオは殆ど存在しません。
ソニーはVTRの普及に関して矜持を持ち、新しい文化…それは今風に言うならホームシアターと家庭映像アーカイブの概念…を確立し、根付かせる、という高い理想をUマチックの当初から掲げていました。このため、当初から音声エリアはステレオで記録が可能でした。
一方、店で販売される「録画済みビデオテープ」は、端的に言えば大量のビデオデッキでせっせとダビングする…の繰り返しで作られます。当然ビデオデッキはメーカが供給しますし、その方式で販売するなら特許使用許諾が必要です。しかし、ソニーはその目的が矜持に沿うかどうか確認の上供給可否を決めていた、と言います。ビデオデッキ自体の存亡のために巨大な利権に戦いを挑み、低俗化防止のために手綱を手放さなかったフロンティアのカウボーイ…それがソニーの姿だったのです。最もこれは、“オーディオとビデオがホームエンタテイメントの主役として融合して行く”姿をリアルタイムで見てきた我々。すなわちマニア達の間で語り伝えられる一種の伝説の感もあり、ソニー自身公式のプレスを出したことはありません。まぁ、事実だったとしても、井深や盛田がそんなこと鬼の首取ったように言うとは思いませんが。
戻ってブルーレイです。地上デジタル放送開始後、日本は事実上ハイビジョン標準の時代となりました。高品位標準は現状世界唯一です。そこでハイビジョンの持つ膨大な情報をごっそり記録できるディスクを、というのがブルーレイの主旨です。そのコンセプトはソニーがブチ上げた理想が、ここに来てようやく結実と言っていいでしょう。しかし、その間に環境の方が変化しました。
あなたハイビジョン画質で何録りますか?
35mmフィルム相当の質を必要とする番組が今どれだけありますか?
「毎日の半井さんを録りだめてBRに保存するのだっ!」
とか明確な目的があるなら文句言いません(上記はあくまで例ですが、実際やっておられる方は口外…とくに本人には言わない方が良いでしょう)。でも、ドラマであれ娯楽番組であれ「内容が判ればいい」ではないでしょうか。ひいてはVTR黎明期「録りたい」という動機の源であったハリウッドはどうでしょう。最後に買ったのが「ロードオブザリング」で、「タイタニック」は売り飛ばしたいと思っている私はどこか異常なのでしょうか。
ショップで板買って、番組録って、2回以上見たものありますか?
ウチにあるのは普通のDVDレコーダですが、過去DVDに焼いたのは鉄ヲタ番組…しかも5番組からバサバサ切り落として走行シーンだけまとめたものと。
…DVDに記録可能な2時間分蓄積待ちの「空耳アワー」位なものです。まぁ「空耳」BRで残すってのは、それはそれでギャグとしてハイグレードだとは思いますが。
「あ~つまんね、消そ。はい次~」
HDDはこの点で実に便利な機械です。は?番組製作の苦労?
既存のマンガに売れ筋の俳優集めて作ってる側に言われたくねーよ。
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