dts
♪tonight is the night~ ←それGTS ←判る人がどれだけいる
久々に4600の「dts」ロゴが点灯した。
娘が「ナニか見たい」というので「千と千尋」を出したのである。
この板は2chドルビー日本語(マトリクスサラウンド…要は初代ドルビーサラウンドミックス)、同フレンチ、dts6.1日本語という良く判らんアソートになっている。デフォはドルデジなので、dtsに切り替える。
正直ジブリは音については感心しない。「宅急便」のライナーには、音にこだわった云々の記述が見えるが、こちとら比較の基準がハリウッド、スカイウォーカーでありTHXであって、てんでお話にならない。最も、臨場感というより、演出の一手段といったコンセプトの違いはある。ハリウッドは「風と共に去りぬ」の昔から、映像と音は50:50である。
とまれdts「千尋」である。圧縮レートが違う分質的にも高いし、やはりディスクリのマルチだから躍動感や切れ味は段違いだ。このシアター再生は、普段粛々と鳴らしているシステムが生き生きと「動的な」顔を見せる瞬間だ。「これがオレの本職だぜ」と主張しているようでその違いっぷりが楽しい。4600以降のヤマハのマルチは、2チャンネル再生のレベルが確実に一次元上がっているが、やはりコイツらはサラウンドさせてナンボなんだと再認識する。なおシネマDSPはエンハンスモード。プレゼンスSPは使ってないので、あまり響きを付加しても仕方ない。
終わった後も少しCDを回して久々に聞き込む。このアンプにしてから感心?と言うか、見直した、否、「聞き直した」のが、CD最初期の「PCM1630」がマスターと思われるディスク群だ。8-14変調原理原則そのまんまの録音機だが、逆に言うとデジタルステージでぐだぐだ小細工してないということ。TMネットワークとか、実に小気味よく鳴らす。レンジ自体はf的にもD的にも最近のアニソンの方が広いくらいだが、率直さという点ではむしろ古代(!)の板の方が好感が持てる。古い録音にも最新技術で新しい発見がある。これだからオーディオやめられない。
ちなみに以前にも書いたが、ヤマハのZ11を実家用に発注済みで、来月泊まりがけでインスコしに行く予定である。雑誌記事を見ると、JBLのエベレストをそれなりに鳴らすようで、パラゴンとか(古いわ)それが基準の人にはお話にならないかも知れないが、こっちからすれば、ヤツが鳴るなら能力充分と言えるだろう。555ESJを外して付ける価値はあると見る。
ところでこのアンプにひとつ切実な意味で期待している機能がある。圧縮オーディオのデータ補完である。
地デジの音声はMPEG2-AAC規格の圧縮方式である。「紅白歌合戦」はこいつで5.1チャンネルサラウンド放送された。
これを実家の両親は「聞きづらい」と言って寄越したのだ。サラウンドを5.1にデコードせず、「そのまんま」テレビで見ると、左右のスピーカに全部の情報が織り込まれる。これは、肝心のボーカル・アナウンスが小さく、対し余計な残響が付加された形で出てくる。加えて圧縮であり、要するに音像がボケるのである。
実は両親は揃って片方の耳が聴力検査に引っかかる。ごった煮のボケ音像ではなるほど聞きづらいであろう。
かと言ってマルチにデコードすればいいというものでもない。片方の耳だけでは結局ごった煮になる。
センターだけ抜き出して鳴らせば良いのだ。マルチで鳴らすのが主用のオレや弟は時たまなので、アンプの電源を入れるとセンターのみが鳴る、をデフォにしておけばよいのである。そして、他チャンネルをミュートすることによる情報の欠落を、補完機能でどうにかならんか、というわけだ。補完といっても恐らくは波形予測で「なまっている」部分を鋭くするものと思うが、音像ボケの改善にはなるだろう。
「聞こえにくいソースはアンプを通せ」
それなりの配線を施し、使い方を教えねば。
…ちなみにココに書いた中に、高齢化社会を迎えるに当たっての大きな問題が含まれていることは言うまでもない。「単純メディア」が色々ゴテゴテ機能を飾ると弊害の方が多いのである。さぁ2011年、全デジでナニが生じる?
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