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2008年2月29日 (金)

正体見たり謎の物体

電気製品であるからして、「電気を通す何か」が中に入ると、ショートなど起こして悶絶する(オレがではない)。その手の何かを「導電性異物」と呼ぶ。多いのは金属加工の工場に収められ、加工で生じた金属クズが中に入って、というものだが、他にも、「カエル短絡事件」や、なめくじ(年齢不詳)が焼死体で発見された事件など、伝説と化した「導電性異物」は幾つか知られる。

で、今朝。
「オレサマさん」
修理担当A氏(仮名)。
「何か変なんですけど判ります?」
いやあのそれ「ねぇねぇ知ってる?」っていう主語無き問いかけと同じなんだが(余談だがこの質問をされて「知らん!」と反射的に答えるのはなかなか難しい。つい「何なに?」と答えてしまう)。
曰く。

・キラキラ光る粉体がたくさん入っている
・金属っぽいが、かき集めて電気抵抗を計っても抵抗は無限大(=電気は流さない)

ところがぎっちょん。←古いわ

「出力電圧の高いテスタで計ると、テスタの電極にその粉くっついてくるんですよ」
なんじゃそら。
とはいえ電気でくっつくと言えば下敷きに髪の毛で別に不思議な現象ではない。

・電気製品が使われる場所
・金属光沢がある。
・電圧を掛けると反応する

ルーペで見てみる。確かにキラキラしているが、金属というか鉱物というか。
鉱物?

脳内データベース…鉱物×電気に反応…検索…電気石。
ち~ん。
「トルマリンとちゃうか?」
「へ…」
ぐぐってみる。ご承知の通りこの石で検索すると、化粧品だローションだを筆頭に、怪しげな商品の広告が佃煮にするほど引っかかる。どれもコレも効能は謳うが、その効能の確からしき根拠はどこにも書いてない。
の中にさすがに信用できそうなページを発見。
独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)

これらのマイナスイオン放射性物質は、例えば、トルマリンのように、自発分極を持つものは、放射線で励起(外部エネルギーによってより高いエネルギー準位に移すこと)されたり、衝撃や温度などが加えられることにより、マイナスイオンを多量にかつ効果的に発生する。
トルマリンは、下記のように示される。
組成一般式 XY9B3Si6O27(O,OH,F)4で表されるもので、
X=Ca,Na,K,Mn,
Y=Mg,Fe,Al,Cr,Mn,Ti,Li
また、組成一般式 XY3Al6(OH)4(BO3)3(Si6O18)で表されるものもある。これらは、化学成分により、例えば次のように分けられるものである。
ドラバイト(Dravite torumaline):
X,Y=Na,MgNaMg3Al6B3Si6(O,H)30(OH,F)
ショール (Schori torumaline):
X,Y=Ma,Fe(Na,K,Ca)(Fe,Mn) 3Al6B3Si6(O,H)30(OH,F)
エルバイト(Elbaite torumaline):
X,Y=Na,Li(Na,K,Ca)(Li,Al) 3Al6B3Si6(O,H)30(OH,F)
(特開平11-335485 参照)
放射線で励起されたときに、マイナスイオンが多量にかつ効果的に発生する原理について以下のように考えられている。トルマリンは、図1.1.3-13 に示すように先の尖った方がプラス極、平らな方がマイナス極に分極している。粒子径が3μm 程度になると結晶表面に電気的中和がなければ、プラス極からマイナス極に向かって10 の4乗V/m から10 の7乗V/m の電界が発生する。通常は、トルマリンの表面は電気的中和のためにイオンが吸着していると思われるが、トルマリンの中を励起剤から放出された放射線が通過したり、トルマリンの表面近くを励起剤から放出された放射線が通過するとき、放射線によってトルマリン結晶内の電界が乱れ、結果としてトルマリン結晶の表面でイオンを発生したり、励起剤からの放射線がイオンを発生しながらトルマリンの極近くを通過することで、トルマリンの表面の電気的中和条件が乱れてイオンが発生するとされている。
トルマリンに衝撃や熱が加えられたりしたときに、マイナスイオンが多量にかつ効果的に発生する原理について以下のように考えられている。
トルマリンに衝撃が加えられたとき、トルマリン結晶に正イオンと負イオンとの相対的位置が変化するイオン分極を生じさせることによって、トルマリン結晶に双極子モーメントが誘発され、空気中の電荷が分極を打ち消すように付着している状態から、表面に付着していた分極を打ち消すような電荷が離れ、表面電荷がマイナスに転じ、トルマリンの表面からマイナスの電荷が放出され、トルマリンの周囲の気体が、トルマリンの表面から放
出されたマイナスの電荷を捕獲してマイナスイオン化することによるとされている。
(特開平11-314978 参照)
Baka
…出典元が特許文言なので文体がくどいが、要するにこういうコトだ。トルマリンは放っておいても結晶のあっちとこっちがそれぞれプラスとマイナスの電気を持つ。しかし普段はそこに空気中のイオンなどがくっついてプラスマイナスゼロになっている。そこへ熱、放射線、電圧、単純にショックなどを与えると、くっついていたイオンは(下敷きに髪の毛が貼り付く程度の力なので)容易に剥がれ、プラスとマイナスの素地がむき出しになる。ちなみにいわゆるマイナスイオンは、この時の「剥がれたイオン」の作用で生じる。

で、「怪しい商品」や「健康浴場」のトルマリンの使い方は、粉にしてローション・クリーム・バスタブの湯などに入れ、塗りつけたりジャグジーにするなどの「ショックを与えて」トルマリンが吸い付けたイオンを常時再解放させようとしているわけだ。そしてここでは「電圧を与える」コトによって、イオンが引っぺがされ、静電気の髪の毛と同じ理屈でテスタにくっついた、と説明が付く。

…後は、この故障品が、その手の浴場で使われていたなら、本当にトルマリンだ。
「用途は?」
「換気ファンとか…じゃぁ、その手の健康センターみたいので使われていたなら、トルマリンてことですかね」
「後は物性分析にかければいいんじゃね?トルマリンの組成は判ってるから、それらが検出されればビンゴ」
「やってみま~す」
「工学とオカルトの境界線」
「わはは」
Hi380072
てぇことはなんだ。お前も「のべつゴシゴシこすってる」方がいいのか。

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