全ての道はタグチに通ず
不良が減らん。
部品メーカに言わせるとドコも
「ウチの不良率は1/1000万のレベルです」
という。でも製品に部品1000個使ってると、これは製品レベルの確率として、途端に1/1万になる。月に10万台レベルで量産すると、月に10台不良出すことになる。
仮に自動車の不良が月に10台の割合で出る、と聞かされたら、アナタそのメーカーのクルマ買うか?
以上は判りやすくするための極端な例だが、クルマは万の単位、宇宙機に至っては10万のパーツが組み合わされて出来上がっている。部品素のままの不良率では二進も三進も行かないことは明らかである。
そこで各社いろいろ工夫をしている。設計段階、製造段階、出荷直前。
対して。
「部品メーカに車載用と同レベルの部品を納入させろ」
いや、それでコトが済めば楽だって。
「試験を強化しろ。限界性能で様子を見ろ」
限界以下の使い方してるお客さんトコでもこわれてますがな。
「故障解析の能力が足らんのだ」
悪うございましたね。
「あれするなこれするなこう使えとマニュアルに書け」
それでも動けば使っちゃうってのが人情じゃないの?アンタだって定員100%以上のすし詰め電車で通ってるでしょ?
実はこれらの物言いには根本的な視点が欠けている。そうじゃない。そうじゃないんだ。
冒頭書いたように部品の精度は既に半島や大陸の言う「過剰性能」レベルである。それで不良が減らないとぼやくのは、次のステップとして「使いこなす」必要に迫られていることを意味する。方程式が成り立つように部品を選ぶだけではダメなのだ。
車載向けの製品…のスペック両極端いやそれ以上が入ってきても性能が出せる設計。
ロバスト設計と言いタグチメソッドが提唱する基本理念である。
試験方法…各個項目はクリアでも全体としてどこかおかしい。健康診断で個々の数値は良いけど精密検査を受けてくれってアレだ。その判定に使うのはマハラノビスの距離でありタグチメソッドと合体してMTシステムとか呼ばれる。
故障解析…単一の要因じゃない場合は様々な条件を与えて試す必要がある。その条件の選定と与え方、そして影響の度合いを調べる方法を実験計画法と呼ぶ。タグチメソッドの原点であり、企業で最初に手を出したのはINAX。
お客さんの使い方…カスタマイズの複合要因が影響するならマハラノビス。客先環境が影響するなら実験計画法だ。そして何か対策して効果の有無を判定する方法は統計の手法でそれはタグチメソッドで駆使する数学の基礎。
背景は出そろい、設計の勘所を「見える化」する(頭の中のノウハウを図と表にする)手法も定着してきた。次は観念論を数値数式に移し替える段階だ。
「確率とか統計とかよくわからねーんだよ」
そんなカチョもいなくなった。設計にも理解者が現れた。時あたかもタグチメソッドのセミナーの案内が来た。
「その時」が来たのだろう。08年度はこれで行くと高らかにブチ上げる。全ての道はタグチに通ず。
定着させて反映させればこれはデカい。壁を越えるための逡巡は尽くした。
目標:タグチメソッドの導入
者共オレに付いて来やがれ。
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