y=βM…悩んでいるあなたへ
機種依存文字の正体は「ベータ」でござい。
「相対性理論」
難しいこと書く気はござらん。これ自体実は難しいこと言ってない。
この理論は次の2点を原理として立脚している。
・動いている物体にも止まっている物体にも同じ法則が適用される
・光の速度は常に一定で、動いて見ようが止まって見ようが同じである
2番目は「月から光が発射される」という現象を地球から見た時、その月から出た光の速度は、月の動く速度が上乗せされたものではない、という意味である。そして勿論、その光を月の上から観測した速度も、地球の結果と同一。
一方で我々は、前を行く友人の自転車に追いついて並んだ時、友人と自分の間の速度の差がゼロであることを知っている。自分にとって友人は止まって見えるのである。京浜東北線と並んだ山手線も然り。
対し「光の速度」は、自転車のように追いつけないというのである。
この矛盾は何だ。
そこでシンプルに「光の速度はどんな状態の人から見ても一定なんだよ」という観点で方程式を立て直したのが、相対性理論の正体である。結果は、
「動いていることと止まっていることに差はない」
動いているという状態は「相対的に」そう見えるだけ、というわけである。つまり光を基準にしたら見方が変わったわけだ。
で。
y=βM
これタグチメソッドの基本方程式である。原理を見つければ全てはその延長線上であり、どこかおかしいのは原理からのズレだ。という意味である。だから、おかしいのを正しくするには、まず原理を見つけなさい。基本的性質を知りなさい。というわけだ。
タグチメソッドというと射撃のアナロジーをご存じの方が多いと思うが、実はタグチメソッドで百発百中を実現しているのではないか?と思われる銃の使い手を我々は知っている。「ルパン三世」でおなじみ「次元大介」である。
彼はトレードマークの帽子とSW29の照準システムを併用してトリガーしているが、これは次のような手順を踏んだと考えると実に理にかなっている。
まず、帽子と銃の照準の位置関係を決め、一定距離の的めがけて撃つ。当たり外れは気にせず撃つ。
この時その位置関係…帽子をドコまで被るかなどは、身体のパーツを基準に決めておくと便利である。大人なら身体のパーツに変化はない。
そうすると射撃時の姿勢は固定されるので、銃弾個々の持つ差はあろうが、弾はみな大体同じ場所に当たるはずだ。
後は的に対して例えば左に寄るなら身体を右に傾け、リコイルの影響を受けるならその分あらかじめ下に向け、距離が遠いなら少し上に向け…帽子と照準の位置関係さえ一定に保てれば、自由自在に百発百中なのである。
ここまで読んだだけでハッと気付いた方多いのではあるまいか。ナニ?テニスのスマッシュが決まらない?ピッチャーだけどノーコンだ?ゴルフがスライスばかり…
全部同じだよ。ほら、もう壁打ちやキャッチボールが「やれと言われたからやる」ものじゃなくなったでしょ?
走り込みなどのトレーニングも闇雲に筋肉付けるって意味じゃない。一定の体調にコントロールするため。いつも同じ体調じゃないと、同じ動きが出来ません。阪神金本選手毎日同じメニューで筋トレやってますね。そういうことよ。
そう、この考え方こそタグチメソッドの本質である。不変の基本的性質を知り、掴み、少しアレンジして狙い通りのアウトプットを得る。後はそれを維持する。清原、筋肉の鎧を着ても打率は上がらないよ。今岡、ヤマカンで振り回すだけなら誰でも出来るぜ。
オレの仕事ひんしつほしょー。今日も若き設計者が言いました。OK判断の範囲に実験結果入ってます。
それ適当に的撃って当たった喜んでるだけ。
原理的に的のこの辺に来るはずで、その通り来ました。と言ってくれなくちゃ。
そしてそう。この考え方はひんしつほしょーの大事な仕事「不良を減らす」のターゲットの取り方を変えた。着目すべきは不良の数値そのものではなく、不良は原理からどう外れたら起こるか知ること。
不良を考え方の出発点にしても答えは出ないのである。そうタグチメソッドはこの手の「結果を得る技術」における相対性理論そのものなのだ。
オレも、最後まで呼んでくれたアナタも、最強の武器を今、手にした。
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