いつもそうだけど
天災、特に地震の後によく見るこれ
「次はXXに○○頃地震が来る」
いい加減にしろ馬鹿者共。
理論的な話以前に、百害あって一利なしであり、無責任な物言い以外でも何物でもない。
不安を煽って何が楽しい。
「じゃぁ○○まで大丈夫なんだ」
変な安心してその間に来たらどうするんだ。
↓の方に因果律とか書いてあるが、地震がいつドコでという話をするには、そのメカニズムの解明が必要だ。結果の分析は明治期に萌芽が見られるが、理論的な話は雑誌「ニュートン」主筆だった故・竹内均東大名誉教授のマントル説の提唱、伴う東海地震仮説から本格的に動きだしたと言って良い。ここに近年の観測システム、コンピュータ解析の進歩が加わり、ようやく「地震システム」の全容が見えつつある、というのが地震研究の実態である。
日本列島に関して言えば、
1.プレートの4枚せめぎ合い
2.それがどの位置にどの深さ
3.プレートの進行方向と進行速度
に関しては、まぁ見えた、というところ。このレベルでスーパコンピュータである「地球シミュレータ」に放り込んでやると、「海溝型」巨大地震である東海・東南海・南海地震の繰り返し状況の「傾向」が再現できる。そこでGPS付きのセンサを大量に並べて、直前の事象を拾い上げようというのが、政府の言う「東海地震予知」である。
一方で阪神大震災以降、今回の岩手・宮城内陸地震まで一連の「断層型」は、というと。
1.各断層は日本列島誕生時に形成された古傷(※)
2.海溝型の前駆事象としての内部のひび割れに相当
までは判っているが、
3.どこにどれだけの古傷があるのか
4.古傷の構造と、耐えられる歪みの限界
が殆ど判っていない。殊に3.については、傷が後の火山活動で埋もれているとか、既にコンクリとアスファルトで覆われている、などで極めて難しい。なので、過去帳から海溝型と断層型とおぼしき物を拾い集め、「向こう○年間で△%の確率でマグニチュード×クラスが発生する」と言うのにとどまっている。
今回の地震について言うと、奥羽山脈自身、そうしたプレートのせめぎ合いが作りだした「しわ」「盛り上がり」に相当し、火山がずらり並んでいるのは中に多大な熱がある……今まさに動き続けている場所を意味する。ただ、そうした火山……栗駒山もそう……によって、古傷は不明確になってしまった。
火山マークは栗駒山である。一帯は深い渓谷が多いが、栗駒山の周辺だけなだらかになっているように見える。
ワンスケールズームを引いて、今回を含む周辺の震源分布と重ねてみる。
南北方向の谷・段差でもあれば、震源との一致からそれを断層と特定することができたかも知れない。しかし実際には見ての通り、埋もれていたり東西方向の段差も多くある。段差も断層起源の物もあれば、単なる川による浸食作用による物もある。
ただこのように精密な写真と震源データの符合が取れる時代になったのもまた確かである。研究は進むであろう。しかしそのためには我々がまだ知らないことが多すぎ、しかるに日頃の備えを怠ってはならないのである。
日本列島が次……恐らくは海溝地震三連動……へ向かって、活動し始めたことは確かである。
※古傷
日本列島は2000万年前あたりからユーラシアと距離を取り始めた。この際引き裂く力が列島に働き、多くの古傷を作った。現在は逆に4つが押し合っているので、この古傷に力が加わって動く。押し合うことで新たに傷になった場所もある。
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