行列を作らず行列を買う
今日の買い物。
電気機関車。
スーパーユーロビート。
カーバッテリーアダプター。
そして
線形代数。すなわち、行列。
行列。高校時分「代数」や「1次変換」に苦しめられた人あるだろうし、大学の一般教養数学で泣く目にあった方もいるはずだ。そしてどちらもこう思ったハズである。
「こんなの習ったところで何に使うんだ」
「こうやって行列使うと連立1次方程式が簡単に表現できるんだぞ」
自慢げに語る数学教員。しらける生徒達。
まぁ確かに、
問
標準モードで120分録画できるVHSビデオテープに130分の映画を録画することを考える。
なるべく長い時間標準モードで録画し、どうにも足りない部分のみ3倍モード録画としたい。
標準モードで録画を開始した場合、何分録画したところで3倍へ切り替えればよいか。
なんてのは連立方程式だ。だがわざわざ行列で表現して解く人はおるまい。
そんなんだから、当然オレも単位さえもらえばいいや状態で殆ど忘れかけたところであった。
が、仕事で扱うことになった。
出てくるのだ。逆行列とか余因子行列とか。
最も、一昔前ならこんな計算、絵空事かそれこそ「数学のテストのために」存在してるんじゃ?と思うシロモノであった。実際オレの大学の線形代数の前期試験は7×7の正方行列が2こドーンドーンとあって。それぞれ
「行列式を計算せよ」
「逆行列を求めよ」
だった。しかも学生なら間違った場合試験落ちましたボッシュートちゃらっちゃらっちゃ~んびよよ~んで終わるが、仕事の場合不良品の量産とか人命に関わることになりかねない。
そんな状況を変えたのがロータス123に始まる(あえてエクセルと書かない)表計算ソフトスプレッドシートだ。
要するにあのタテヨコの表はそのまんま行列世界なのだ。
例えば逆行列が関数一発で出せる。n×mの演算は行側なり列側なりを拘束しておいてコピペ一発。
(重要:エクセルの逆行列関数は、小数点演算のケタ繰りの影響で時々ウソつく。ちゃんと元行列とかけ算して単位行列になることを確認した方が良いです)。
このことはアホみたいな数方程式解く「学問」を「技術手段」へ変えた。オレも試験的にマハラノビス演算してみて、実態を反映していてニヤニヤしている(SN比はまだ出してない)。
電子工学はミクロな回路の集合体ICを生みだし、ICは膨大な回路を要求する精密工作を容易にし、現代の情報化社会を導いた。
同じような流れ・胎動を、この行列演算の容易化に今オレは見ている。そしてその最先端に今オレはいる……のか?
黒猫の三角。
問の回答
標準モードで録画する時間をx分。3倍モードのそれをy分と置く。
映画の放送時間に関しては
x + y = 130 【1】
テープの録画時間は、全て標準モードで録画した、と換算する必要がある。3倍モードの場合3分録画して標準モード1分ぶんなので、3倍モードで録画中の換算録画時間は(1/3)yである。従って、標準モードに換算した録画時間は
x + (1/3)y = 120 【2】
【1】式をxについて解く。
x = 130 - y 【3】
【3】のxを【2】式へ代入
(130 - y) + (1/3)y = 120
130 - y + (1/3)y = 120
移項して整理すると
130 - 120 = y - (1/3)y
10 = (2/3)y
10 ÷ (2/3) = y
10 × (3/2) = y
15 = y
3倍モード15分。従って【3】より標準モードは
130 - 15 = 105
より115分
解
標準モード115分
3倍モード15分
(終)
まぁ、もう使うことないだろうけどさ。こんな方程式。
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投稿: | 2016年3月18日 (金) 15時10分