魔女と魔法と魔術と蠱と【15】完結
電車が運転を再開したらしく、轟音を立てて鉄橋を行き過ぎた。
男の子が身じろぎしたタイミングで、相原は腕をほどいた。
「出血止まったか?」
男の子は下を向いたまま頷いた。
「あんたさ……」
枯れた、ぼそぼそした声で、彼は訊いた。
「あん?」
「姫様と……け、結婚してんのか?」
「まさか。立場知ってんだろ?偽名用に貸してんのさ。従姉妹って設定」
「彼氏?」
「非公認。そういうことは本人に訊けや」
相原はスッと身を引いた。
向き合う二人。
目の下を赤く腫らした彼。
硬い表情で唇を噛みしめ、麦わら帽子を手にした彼女。
「質問していい?」
彼は問うた。
「ええ」
「終わり?」
(つづきはこちら)
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